業務用SHR脱毛機とは?IPL方式との違い・メリット・デメリットを解説
カテゴリー:業務用脱毛機器
① SHR方式とIPL方式、仕組みの違い
低出力の光を連続照射するSHRと、高出力の光を単発照射するIPLの原理を比較します。
② SHR脱毛機のメリット・デメリット
痛みや対応範囲の強みと、回数・技術・ランニングコスト面の注意点を整理します。
③ サロンメニューでの活用と施術前後の注意点
技術特性から逆算したメニュー設計と、お客様に伝えたい注意事項をまとめます。
SHR脱毛機とは、低出力の光を連続照射して毛包周辺に熱を蓄積させる「蓄熱式」の美容脱毛機です。
高出力の光を1か所ずつ当てるIPL方式とは、光の当て方・施術中の感覚・得意な肌質や部位が異なります。
本記事では、業務用SHR脱毛機の基本的な仕組みから、IPL方式との技術的な違い、SHR方式のメリット・デメリットを解説します。
あわせて、施術スピードや対応範囲を踏まえたサロンメニューへの活かし方、施術前後の注意点もまとめました。
SHR脱毛機とは?IPL方式との違いを理解する基礎知識
SHR方式とIPL方式の違いを一言でいうと、「弱い光を重ねて面で温めるか、強い光を点で当てるか」です。
まずはそれぞれの基本的な仕組みを確認しましょう。
SHR脱毛機の基本的な仕組み
SHR脱毛機とは、低出力の光を高い頻度で連続照射しながら肌の上をスライドさせる美容脱毛機です。
SHRはSuper Hair Removalの略称です。
毛を生やす司令塔とされる毛包周辺に、じんわりと熱を伝えていく発想で設計された方式です。
一度に強い光を当てるのではなく、弱い光を連続的に重ねていきます。
肌への負担を抑えながら熱を蓄積させていく点が特徴とされています。
施術の際は、脱毛機のヘッドを肌の上で滑らせるように動かしながら光を連続的に照射します。
ブラッシングするようなイメージに近く、面全体にムラなく熱を伝えやすい点も特徴のひとつです。
近年は業務用脱毛機市場でも、このSHR方式を採用した機種が増えてきました。
IPL脱毛機の基本的な仕組み
IPL脱毛機とは、比較的強い光を1か所ごとに単発で照射していく美容脱毛機です。
IPLはIntense Pulsed Lightの略称です。
毛根周辺のメラニン色素に光を反応させ、熱を伝える仕組みとされています。
1ショットあたりのエネルギーが高いため、太くて濃い毛に反応させやすいとされます。
一方で、照射時にはある程度の刺激を感じやすいともいわれています。
施術の際は、脱毛機のヘッドを1か所に押し当てて発光させ、少しずつ位置をずらしながら照射範囲を広げていきます。
古くから美容業界で採用されてきた実績のある方式で、現在も数多くの機種に搭載されています。
IPL方式の詳しい仕組みは、IPL脱毛とは?効果が出る回数・期間や仕組み、SHR・レーザー脱毛との違いを解説で紹介しています。
SHR方式とIPL方式、技術的な仕組みの違いを比較
光の照射方法とエネルギー量の違い
SHR方式とIPL方式の最も大きな違いは、光の照射回数と1回あたりのエネルギー量にあります。
SHRは低い出力の光を高い頻度で連続的に照射し、肌の上を滑らせながら少しずつ熱を面で蓄積させる方式です。
一方のIPLは、比較的高いエネルギーの光を1か所に一度だけ照射し、瞬間的に熱を点で伝える方式とされています。
この照射方法の違いが、後述する使用感や施術範囲の違いにつながっていきます。
以下の表で、SHR方式とIPL方式の主な違いを整理しました。
| 項目 | SHR方式 | IPL方式 |
|---|---|---|
| 照射方式 | 低出力の光を連続的に照射する蓄熱式 | 高出力の光を単発で照射する単発式 |
| 出力・照射回数の傾向 | 低出力・高頻度でスライドさせながら連続照射 | 高出力で1か所に1回照射 |
| 施術時の感覚の傾向 | 熱の蓄積が緩やかで刺激を感じにくいとされる | 瞬間的な熱の刺激を感じやすいとされる |
| 対応しやすい肌質・毛質の傾向 | 幅広い肌質・毛質に対応しやすいとされる | 濃く太い毛に反応させやすいとされる |
| 施術スピード・対応範囲の傾向 | 面で照射できるため範囲が広く速いとされる | 点ごとの照射のため範囲・速度は限定的とされる |
| 主なアプローチ先 | 毛包周辺のバルジ領域とされる | 毛根周辺のメラニン色素とされる |
※表は横にスクロールできます。
蓄熱式と単発照射式、理論の違い
SHR方式は、毛包周辺の「バルジ領域」に着目した蓄熱式の理論にもとづいて設計されています。
バルジ領域は、毛が生えてから抜け落ちるまでの毛周期に深く関わるとされる部分です。
SHR方式は、バルジ領域へ穏やかな熱を連続で加え、毛周期にアプローチする仕組みです。
一方のIPL方式は、毛根周辺のメラニンに反応させる単発照射理論に基づいています。
古くから実績のある定番の方式として、広く普及しています。
このバルジ理論は、脱毛業界で広く紹介されている考え方のひとつです。
どちらの理論にもメリット・デメリットがあり、優劣を単純に比較できるものではない点には注意が必要です。
SSC・E-LIGHT・NPLなど他方式との位置づけ
業務用の光脱毛には、SHRとIPL以外にも複数の方式があります。
代表的なものは次のとおりです。
- SSC方式: ジェルと光を組み合わせて抑毛を目指す方式
- E-LIGHT方式: IPLの光にRF(ラジオ波)を組み合わせた方式
- NPL方式: 波長の幅を絞った光を使う方式
いずれもSHRやIPLとは照射の考え方や得意分野が異なります。
方式ごとの特徴は、SSC脱毛とは?仕組みと効果、IPL・SHRとの違いやメリット・デメリットを解説、E-LIGHT脱毛のデメリットとは?効果・仕組みやIPL・SHRとの違いを解説、NPL脱毛とは?仕組みや効果が出る回数、IPL・THR脱毛との違いとデメリットを解説で詳しく解説しています。
POINT
SHR方式が注目される理由
SHR方式は、バルジ領域に着目した蓄熱式アプローチにより、肌への負担を抑えながら施術しやすい点が特徴とされています。IPL方式とあわせて技術的な特徴を理解したうえで、自店に合う機種を検討することが大切です。
SHR脱毛機のメリット・デメリット
SHR脱毛機には、施術のしやすさや対応範囲の広さという強みがある一方、運用面で押さえておきたい注意点もあります。
導入前に両面を把握しておきましょう。
SHR脱毛機のメリット
- 低出力の光を重ねるため、刺激を感じにくいとされる
- 日焼け肌や色素の薄い毛など、幅広い肌質・毛質に対応しやすいとされる
- 肌の上を滑らせて照射でき、背中や脚など広い部位を短時間で施術しやすい
- 毛周期の影響を受けにくいとされ、施術間隔を比較的短く設定できる機種もある
痛みへの不安から脱毛をためらっていたお客様にも、提案しやすい方式といえます。
痛みに配慮した機器選びの考え方は、【業務用】痛くない脱毛器の脱毛効果とは?方式の違い・選び方とサロン導入のメリットも参考にしてください。
SHR脱毛機のデメリット・注意点
- 1回あたりの出力が穏やかなため、変化を実感するまでに回数がかかると感じる方もいる
- ハンドピースを動かす速度や重ね方で熱の入り方が変わり、施術者の技術で仕上がりに差が出やすい
- 熱を蓄積させる方式のため、冷却や肌状態の確認を丁寧に行う必要がある
- 照射回数(ショット数)が多くなりやすく、ランニングコストの把握が欠かせない
「SHR脱毛は効果なし」といわれる背景には、こうした回数や施術方法の問題が関係していることがあります。
詳しくはSHR脱毛は効果なし?効果を感じにくい5つの理由とメリット・デメリット、危険性を解説で解説しています。
冷却機能の考え方は業務用脱毛機器に冷却機能は必要?3つの理由と冷却方式の違い・選び方を解説、ショット数の目安は業務用脱毛器の照射回数の目安は?部位別ショット数とランニングコストの計算方法を解説で確認できます。
使用感・対応できる肌質毛質の傾向
施術中の感覚の違い
施術中の感覚は、連続的に熱を蓄積させるSHR方式の方が、刺激を感じにくいとされる傾向があります。
低出力の光を重ねていく方式のため、瞬間的な熱の刺激が少なく、リラックスして施術を受けやすいといわれています。
一方のIPL方式は、1回あたりのエネルギーが高いため、ぱちんと弾かれるような刺激を感じやすいとされています。
ただし感じ方には個人差があり、施術部位や毛の状態によっても異なります。
SHR方式でも、痛みを全く感じないと言い切れるものではない点にご注意ください。
対応しやすい肌質・毛質の傾向
肌質・毛質への対応範囲は、SHR方式の方が幅広いとされる傾向があります。
低出力の光を使うSHR方式は、日焼けした肌や比較的色素の薄い毛にも対応しやすいとされます。
一方、IPL方式は濃く太い毛に反応させやすいとされています。
とはいえ、これらはあくまで一般的な傾向です。
実際の対応可否は、肌状態や機種の仕様によって異なります。
導入前には、対象となる客層の肌質・毛質の傾向を踏まえて検討しましょう。
カウンセリングの段階で肌状態を丁寧に確認する体制を整えておくことも大切です。
ご注意
SHR脱毛機・IPL脱毛機はいずれもエステサロンなどで提供される美容脱毛(美容目的の施術)の機器であり、医療機関で行われる医療脱毛とは法的な位置づけも技術的な仕組みも異なります。「永久脱毛」や「誰でも効果を実感できる」といった表現は避け、施術の効果や感じ方には個人差がある旨を正しく伝えることが大切です。
美容脱毛と医療脱毛の違いをお客様に説明する際は、医療脱毛と美容脱毛の違いとは?効果・回数・費用を比較表で解説の内容も参考になります。
施術スピード・対応範囲とサロンメニューへの活用
施術スピードと対応範囲の違い
施術スピードは、連続照射が可能なSHR方式の方が、広い範囲を短時間で施術しやすいとされています。
肌の上を滑らせながら照射できるため、背中や脚といった面積の広い部位でも効率よく施術を進められます。
一方のIPL方式は、1か所ずつ照射していく方式です。
細かい部位への照射には向いていますが、広範囲の施術にはSHR方式より時間がかかりやすいとされています。
施術時間は、予約枠の回転率にも関わります。
サロン運営の観点からも、見逃せない違いといえるでしょう。
サロンメニュー設計への活かし方
技術特性の違いを理解することは、自店のメニュー構成を検討するうえで役立つ材料になります。
例えば全身脱毛のように広範囲を短時間で仕上げたいメニューには、SHR方式の特性が活かしやすいと考えられます。
部位を絞ったピンポイント施術には、IPL方式の特性が活かしやすいでしょう。
ターゲット層の肌質・毛質の傾向や、店舗として打ち出したい強みに合わせて、技術特性から逆算してメニューを設計することが大切です。
メンズ脱毛を検討している場合は、【業務用】メンズ・ヒゲ脱毛器の選び方7つ|脱毛方式の違いと導入メリット・法令の注意点もあわせてご覧ください。
施術前後にお客様へ伝えたい注意点
SHR方式は刺激を感じにくいとされる一方、熱を加える施術であることに変わりはありません。
トラブルを防ぐため、次のような注意点をカウンセリング時に共有しておきましょう。
- 施術前日までに、照射部位のシェービングを済ませてもらう
- 施術前後は強い日焼けを避けてもらう
- 施術後は肌が乾燥しやすいため、保湿を心がけてもらう
- 赤みやほてりが気になる場合は、冷却して様子を見てもらう
- 施術当日は、長時間の入浴や激しい運動を控えてもらう
肌に異常が続く場合は、自己判断で施術を続けず、医療機関への相談を案内してください。
機種選定前に確認したいポイント
- 自店のターゲット層に多い肌質・毛質の傾向
- 提供したい施術メニュー(全身か部位別か)
- 1回あたりの施術時間や回転率への影響
- スタッフが安定した施術を行える操作性かどうか
- アフターサービスや保守体制の有無
機種ごとの特徴を比較したい方は、業務用脱毛機おすすめ30選を比較|種類・価格相場・選び方と失敗しない導入ガイドで方式別に整理しています。
PRIMARY SOURCE
よくある質問
Q.SHR脱毛とは何の略ですか?
A.SHRは「Super Hair Removal」の略称です。低出力の光を連続照射し、毛包周辺に熱を蓄積させる蓄熱式の美容脱毛方式を指します。
Q.SHR脱毛機とIPL脱毛機、どちらが痛みを感じにくいですか?
A.個人差はありますが、連続照射で熱を蓄積するSHR方式は、IPL方式に比べて痛みを感じにくいとされる傾向があります。ただし施術部位や毛の状態によって感じ方は異なります。
Q.SHR脱毛機はどんな毛質・肌質にも対応できますか?
A.SHR方式は幅広い肌質・毛質に対応しやすいとされていますが、すべての方に同じ結果を保証するものではありません。事前のカウンセリングで肌状態を確認することが大切です。
Q.SHR脱毛は毛周期に関係なく施術できますか?
A.SHR方式は毛周期の影響を受けにくいとされ、IPL方式より短い間隔で施術を案内する機種もあります。ただし適切な施術間隔は機種や肌状態によって異なるため、メーカーが推奨する間隔に従うことが基本です。
Q.SHR脱毛やIPL脱毛は医療脱毛と同じ効果がありますか?
A.いいえ、SHR・IPLいずれもエステサロンなどで行う美容脱毛(美容目的の施術)であり、医療機関で行われる医療脱毛とは法的にも技術的にも異なるものです。
Q.サロンにSHR脱毛機とIPL脱毛機、どちらを導入すべきですか?
A.導入すべき機種は、ターゲット層や提供したい施術メニュー、店舗のポジショニングによって異なります。技術特性を踏まえたうえで、価格面も含めて総合的に検討することをおすすめします。両方式を使い分けたい場合は、複数の方式を搭載した複合型脱毛機も選択肢になります。
まとめ
SHR方式とIPL方式は、光の照射方法とエネルギー量が根本的に異なる美容脱毛技術です。
記事のポイントを振り返ります。
- SHRは低出力の光を連続照射する蓄熱式、IPLは高出力の光を単発で照射する方式
- SHRは刺激を感じにくく、幅広い肌質・毛質や広い部位に対応しやすいとされる
- SHRは回数・施術者の技術・ランニングコストの面で注意点がある
- 広範囲のメニューにはSHR、部位を絞った施術にはIPLの特性が活かしやすい
SHRとIPLの両方式を1台で使い分けたい場合は、IPL・SHR・E-Lightの3方式を搭載した複合型脱毛機という選択肢もあります。
3方式搭載機の特徴は、業務用脱毛機器イデアライトとは?口コミやメリット・販売価格を解説で紹介しています。
今回ご紹介した内容は、あくまで一般的な技術的傾向です。
実際の機種選定にあたっては、価格や導入コストも含めて総合的に検討しましょう。
価格帯や導入費用は業務用脱毛機にかかるコストの内訳・考え方は?価格相場を徹底解説で詳しく解説しています。









