参入障壁が低く新たな店舗が次々にオープンするエステ業界では、お客様に選ばれ続けるサロンになるためのメニュー作りが非常に重要です。競合との差別化になり、高単価で人気が集まるメニューを用意できれば、今後のエステサロン業界でも売上を伸ばしていくことができるでしょう。では、人気が集まるエステサロンのメニューは、どのように作成すれば良いのでしょうか。
本記事では、最新トレンドをもとにエステサロンの人気メニューをご紹介しながら、売れるメニュー作りのコツについて解説していきます。メニュー作成の注意点についても扱っているので、メニュー作りに悩みを抱えているサロンオーナー様はぜひ参考にしてください。
最新トレンドからみる人気のエステメニューとは?
エステ業界では、日々新たな美容法や痩身技術が開発され、サロン向けの商材や化粧品として発売されています。その中でも近年トレンドとなっているトピックとして、以下のようなキーワードが挙げられます。
- メンズエステ
- 『チョコザップ』(セルフエステ)
- リフレクソロジー
- 都度払い脱毛
- フェムテック
メンズエステ
男性をターゲットとする「メンズエステ」は、コロナ禍において縮小傾向にあったエステ業界の中で、唯一市場規模を拡大している分野です。メンズエステは従来のエステメニューと比べて単価が高い傾向にあり、競合となる店舗も少ないことから、高い収益性を目指せるジャンルです。
『チョコザップ』(セルフエステ)
『チョコザップ』は、プライベート事務大手のRIZAP社の新業態で、「コンビニジム」というキャッチフレーズで全国規模の出店を続けています。中でもエステ業界への影響が大きいのが、セルフエステ・セルフ脱毛を使い放題としている点です。特に近隣でチョコザップがオープンしたサロンでは、使い放題のセルフエステよりも付加価値の高いエステメニューを提供していく必要性に迫られていくでしょう。
リフレクソロジー
「リフレクソロジー」は、反射学の考え方を取り入れた施術で、主に足の「反射区」を刺激することにより全身の体調を改善させる仕組みです。いわゆる足ツボマッサージのイメージに近いですが、手軽に免疫改善や疲労回復効果を得られることから、エステサロンでマッサージを受けたいというニーズが高まっています。
都度払い脱毛
医療脱毛や脱毛サロンの倒産や返金トラブルが全国的なニュースになって以来、コース契約ではなく施術のたびに料金を支払う「都度払い脱毛」も人気を集めています。サロン経営の観点からは、高単価のコース契約が売れにくくなることはデメリットといえますが、都度払いを全面に打ち出してお客様にとって通いやすいメニューを作ることにより、集客しやすくなるメリットが得られるでしょう。
フェムテック
「フェムテック」とは、女性を意味する「フェミニン(Feminine)」と「テクノロジー(Technology)」を組み合わせた言葉で、女性特有の悩みを最新テクノロジーによって解決しようとする考え方を指します。これまでは生理やデリケートゾーンケアといった狭いジャンルで使われてきましたが、今後は女性特有のホルモンバランスの変化を取り入れた痩身プログラムが生まれたり、マタニティエステで技術革新が訪れたりすることも予想されます。
エステサロンで人気の定番メニュー一覧
続いて、エステ業界のトレンドや流行りに左右されにくい、人気の定番メニューについてもみていきましょう。
痩身エステ
脂肪を落として痩せたいというお悩みにアプローチする痩身エステでは、次のようなエステメニューが定番です。
- キャビテーション
- EMS
- ラジオ波
- 脂肪冷却
- ハイフ(HIFU)
- もみほぐし
- 電磁パルス
痩身エステでは、手技を使ったハンドエステと、業務用エステ機器を使った施術の2つに分類されます。さらにエステ機器を使ったメニューの中でも、脂肪を分解して痩せるアプローチと、筋肉を刺激して内側から痩せるアプローチがあります。
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フェイシャルエステ
コロナ禍を経て脱マスク生活に戻りつつある近年では、フェイシャルエステの定番メニューにも人気が集まっています。主に定番の施術として、以下の通りです。
- 毛穴クレンジング
- ラジオ波
- EMS
- エレクトロポレーション
- イオン導入
- ハイドラフェイシャル
- 超音波
- 毛穴吸引
- 毛穴洗浄
- ハイフ(HIFU)
いずれもしみ・しわ対策やエイジングケア、小顔・リフトアップのためのメニューとして施術されることが多いです。業務用エステ機器を使用する場合、痩身エステと共通のマシンを利用できることも多いため、収益性の高いエステメニューを実現しやすいでしょう。
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脱毛エステ
脱毛エステでは、メンズ脱毛やキッズ脱毛、介護脱毛など、より幅広いターゲット向けのエステメニューを取り入れるサロンが増えてきています。中でも定番のエステメニューとしては、以下が挙げられます。
- VIO脱毛
- 全身脱毛
- 顔脱毛
- 両ワキ脱毛
THR脱毛やハイパースキン脱毛、E-LIGHT脱毛など、最新の脱毛方式を打ち出したエステメニューも人気が高いです。最新の脱毛方式に対応した業務用脱毛器を導入することで、集客・売上向上につながるエステメニュー作りにも役立つでしょう。
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エステサロンの売れるメニュー作りの7つのコツ
エステサロンで売れるメニューを作るためには、最新トレンドや定番メニューを押さえることも大切ですが、打ち出し方やメニュー名を工夫することが重要です。ここでは売れるメニュー作りのコツとして、以下の7つのポイントをご紹介します。
- 競合のエステサロンと差別化する
- ターゲットに合わせたメニューを用意する
- お客様の声を反映させる
- 期間限定メニューを作る
- コースメニュー・回数券を取り入れる
- オプション・追加メニューを用意する
- 最新トレンドを実験的に導入してみる
一つひとつ詳しく解説していきます。
競合のエステサロンと差別化する
売れるエステメニューを作るためには、まず競合の調査が欠かせません。競合のエステサロンでどのようなメニューをどのくらいの金額で提供しているのか調べ、メニューや価格で差別化を図ることにより、選ばれるサロン作りに役立ちます。
競合のエステサロンとの差別化を図る際には、ご自身のサロンならではの強みや魅力をもとに、独自のメニューを考えるのがポイントです。お客様のどのようなお悩みを解決して、どのような状態を目指せるのかをメニューの説明に加えると、お客様が施術を受けるメリットを感じてもらいやすくなります。
ターゲットに合わせたメニューを用意する
売れるエステメニューを決める際には、ターゲットを念頭に置きながら考案することも重要です。ターゲットが曖昧なまま、あらゆる年代・悩みに対応したメニューを考案しようとすると、結局誰にも刺さらないメニューに落ち着いてしまう可能性が高いです。まずはサロンのターゲットを明確に言語化し、そのターゲットが抱えているであろう悩みを想定しながら、解決に導けるメニューを考案しましょう。
お客様の声を反映させる
売れるエステメニューを考案する際に大きなヒントとなるのが、お客様の声です。お客様アンケートや口コミをもとに、お客様からの要望やニーズが多く寄せられているサービスをヒントにすると、サロンのターゲットが本当に求めているメニューを実現しやすくなります。開業したばかりでアンケートや口コミの数が少ない場合には、ご自身のサロンとよく似たコンセプトのサロンの口コミを参考にしても良いでしょう。
期間限定メニューを作る
さまざまなニーズに応えるために豊富なエステメニューを用意する場合には、期間限定メニューを用意するのも効果的です。顧客心理として、エステメニューが多すぎるとどれを選べば良いか迷ってしまい、予約せずに離脱してしまうケースが少なくありません。
そこで期間限定メニューとして、おすすめの施術やお得なプランを提案することにより、お客様にとっての「選ぶストレス」を軽減することができます。季節限定のメニューや、1日の人数を制限したメニューなど、希少性や特別感を演出することにより集客効果も高まるでしょう。
コースメニュー・回数券を取り入れる
単価の高いエステメニューを取り入れたい場合には、単品のメニューを組み合わせたコースメニューを用意するのが効果的です。人気メニューにオプションや物販などを組み合わせ、単品で申し込むよりもお得に施術が受けられることを訴求することで、単価の高いメニューを検討してもらいやすくなります。
また、10回分や20回分のメニュー料金を前払いする回数券も、客単価向上に役立ちます。都度払いよりも安く施術を受けられることをアピールすることで、高単価の回数券を購入してもらいやすくなります。ただし高額なコース契約や回数券はお客様にとっての抵抗感も強めなので、無理な売り込みをしないよう注意しましょう。
オプション・追加メニューを用意する
定番メニューや人気メニューに加えて、オプションや追加メニューを用意しておくと、単価向上に役立ちます。コース契約や回数券を利用するお客様の中には、普段のメニューだけではマンネリ化してしまい、施術に飽きてリピートをやめてしまうことも考えられます。
そこで単価が安めのオプションや追加メニューを用意することにより、お客様の満足度を高めながら単価アップが見込めます。定番メニューのオプションには、最新トレンドや海外で流行しているメニューを取り入れてみるのも良いでしょう。
最新トレンドを実験的に導入してみる
最新トレンドを反映したメニューを取り入れたい場合には、いきなり看板メニューとして売り出すのではなく、低価格のオプションメニューなどで試験的に導入してみましょう。エステ業界の流行は時代によって大きく移り変わるため、最新トレンドと聞いて取り入れたメニューでも、すぐに廃れてしまう可能性も高いです。
あくまでもご自身のサロンが強みとするメニューや定番メニューを軸としながら、サブメニューとしての立ち位置で流行を取り入れてみるのがおすすめです。試験的に導入したメニューが大きく人気を集めるようであれば、そのメニューを軸としたサロンへと方向性を切り替えても良いでしょう。
売れるエステメニューを決める際の注意点
最後に、エステメニューを考案する際に抑えておきたい注意点として、以下の3つをご紹介します。
- 効果が伝わりやすいメニュー名にする
- 適正な価格設定を行う
- 流行り廃りに振り回されない
一つずつ順番に解説していきましょう。
効果が伝わりやすいメニュー名にする
エステサロンのメニュー名では、エステが初めての方にも伝わるようなネーミングを心がけましょう。たとえば「痩身エステ60分」というメニュー名では、具体的にどのような施術が受けられて、どのような効果が期待できるか伝わりにくいでしょう。
一方で「次世代EMS電磁パルス痩身でインナーマッスル強化」といったメニュー名でも、お客様にとって耳馴染みが少ない言葉が並びわかりにくくなってしまいます。「30分寝ているだけで筋トレ2万回!電磁パルス体験コース」のように、お客様にとってのメリットや効果が伝わりやすいメニュー名を心がけましょう。
適正な価格設定を行う
エステメニューの料金を決める際には、料金の安さにこだわりすぎることなく、適正な価格設定を心がけましょう。開業したばかりのサロンや売上不振に悩むサロンでは、とにかく競合よりも安い価格設定で集客しようとするケースが少なくありません。
しかし競合との価格競争に巻き込まれてしまうと、サービスの質が低下して顧客満足度が下がり、口コミでの評価も悪化する危険性があります。低価格路線では大手サロンとの勝負に負けてしまう可能性も高いため、特に個人サロンや小規模なサロンでは、高品質なメニューを適正な価格で販売することが必要になります。
流行り廃りに振り回されない
エステメニューを考案する時には、エステ業界の流行り廃りに振り回されないことにも注意しましょう。トレンドの施術を取り入れても集客効果が高まるとは限らず、すぐにブームが過ぎ去ってしまうことも少なくありません。
一方で、ブームが過ぎ去ったメニューを根強く提供し続けたことでサロンの看板メニューとなり、高収益を生み出してくれることも考えられます。エステ業界の流行り廃りではなく、あくまでもご自身のサロンに合っているかどうか、お客様に求められているかどうかを重視しながらメニューを考案しましょう。
まとめ
本記事では、エステサロン向けの人気メニューと定番メニュー、そしてメニュー作りの際のポイントについてご紹介してきました。痩身エステ・フェイシャルエステ・脱毛エステではそれぞれ人気の定番メニューが存在するため、それらのメニューを軸にして最新トレンドや流行を取り入れることで、売れるメニューを実現しやすくなります。
メニュー作りの際には、競合サロンのメニューをチェックしたり、お客様の声を反映したりしながらメニューを考案すると、人気のサロン作りにつながります。コースメニューや回数券、オプションメニューなども上手に取り入れながら、高単価のメニューを用意してみましょう。
また、下記のページではエステサロン向けのメニュー表や料金表の作り方をテンプレートとともにご紹介しているので、考案したメニューの見せ方の参考にしてみてください。
関連記事:エステサロン向けメニュー表・料金表の作り方!無料テンプレートも紹介
なお、エステサロンのメニュー作りを含めたサロン開業・経営について相談したいオーナー様は、私たち株式会社b-modelsにご相談ください。b-modelsでは、業務用エステ機器の販売をはじめ、立地の選定から内装・設計のアドバイスまで、ワンストップで経営・開業サポートを提供しています。興味がある方は、ぜひ下記のページからお気軽にお問い合わせください。