
「開業資金を抑えたいので、エステ機器は中古で揃えたい」
「中古でも問題なく使えるなら、新品にこだわる必要はないのでは」
開業準備中のサロンオーナー様から、こうしたご相談をよくいただきます。
業務用エステ機器は、新品で購入すると1台100万円〜500万円が目安です。
中古なら本体価格を下げられるため、魅力を感じるのは自然なことでしょう。
結論から言うと、中古のエステ機器は「条件を満たせば選択肢になるが、多くのサロンにはおすすめしにくい」買い物です。
メーカー保証や修理、消耗品の供給を受けられないケースが多いからです。
故障した時点で使えなくなり、結果的に新品より高くつくこともあります。
本記事では、業務用エステ機器メーカーの立場から、中古購入のメリット・デメリットを解説します。
購入前に確認したい8つのチェックポイントと、入手先ごとの注意点もまとめました。
中古以外で導入コストを抑える方法も紹介するので、機器選びの判断材料にしてください。
結論:中古のエステ機器を選んでもよいケース・避けるべきケース
中古のエステ機器が向いているかどうかは、サロンの状況によって変わります。
判断の目安は次のとおりです。
中古を選んでもよいケース
- 過去に同じ機種を使った経験があり、操作や手入れに慣れている
- メーカーがまだその機種の修理・消耗品の供給を続けている
- 販売店の動作保証が付いており、故障時の対応が明確になっている
- メインではなく、サブメニュー用の補助的な機器として使う
中古を避けるべきケース
- 初めての開業で、機器の扱いや経営のサポートを受けたい
- サロンの売上を支えるメイン機器として毎日使う予定がある
- 製造元や型番、使用歴がはっきりしない
- 近隣に競合サロンが多く、機器の性能で差をつけたい
メイン機器が止まると、その間は予約を受けられず売上が途絶えます。
本体価格の安さだけでなく、故障や修理まで含めたトータルコストで判断することが大切です。
業務用エステ機器を中古で購入するメリット

中古で購入する最大のメリットは、機器の導入費用を抑えられることです。
主なメリットは次の3つです。
- 新品より本体価格が安い
- 浮いた資金を広告費や内装費に回せる
- 販売終了した機種を入手できる場合がある
中古品の価格は、年式や使用頻度、付属品の有無によって大きく変わります。
数年程度の型落ちであれば、施術に必要な基本機能は十分に備えている機種もあります。
新品との差額を集客に使えば、開業直後の認知を広げやすくなるでしょう。
ただし、こうしたメリットは「機器が問題なく動き続けること」が前提です。
次に紹介するデメリットとあわせて検討してください。
業務用エステ機器を中古で購入するデメリット

中古のエステ機器には、価格の安さと引き換えに次の5つのデメリットがあります。
- メーカーの保証・サポートが受けられない
- トラブル・故障時に高額な費用がかかる
- 消耗品の生産終了により使えなくなる
- 最新機器と比べて性能が劣る
- 競合との差別化が難しい
それぞれ詳しく見ていきましょう。
デメリット① メーカーの保証・サポートが受けられない
中古品は、メーカーの製品保証や導入後サポートの対象外になるのが一般的です。
メーカー保証は、最初の購入者に対して付くケースが多いからです。
新品であれば、操作方法の研修や施術マニュアルの提供を受けられることがあります。
集客や売上アップのノウハウまで支援するメーカーもあります。
中古ではこうした支援がないため、機器の性能を十分に引き出せないおそれがあります。
初期不良が見つかった場合も、販売店の保証がなければ修理や買い替えは自己負担です。
導入後のサポートも本体価格に含まれていると考えると、中古の費用対効果は見た目ほど高くありません。
デメリット② トラブル・故障時に高額な費用がかかる
保証のない中古機器は、故障時の修理費用がすべて実費になります。
メーカーに修理を断られた場合は、専門の修理業者に依頼するしかありません。
部品の調達から必要になると、費用も期間もかさみがちです。
修理の間は施術ができず、予約のキャンセルによる売上の損失も発生します。
修理の流れや注意点は「業務用エステ機器・美容機器の修理の流れと注意点」で詳しく解説しています。
デメリット③ 消耗品の生産終了により使えなくなる
年式の古い中古機器は、メーカーが消耗品の生産を終えている可能性があります。
たとえば痩身機器のハンドピースや、脱毛機器の光源ランプなどです。
こうした部品が手に入らなければ、本体が動いても施術には使えません。
修理業者に適合部品を探してもらう方法もありますが、別途費用がかかります。
新品であれば消耗品の交換費用を一定期間サポートするメーカーもあります。
長期的なトータルコストでは、新品のほうが安く済むケースも少なくありません。
デメリット④ 最新機器と比べて性能が劣る
中古機器は最新モデルと比べて機能が少なく、使いたいメニューに対応できないことがあります。
業務用エステ機器は、世代を重ねるごとに操作性や安全機能が改良されるのが一般的です。
性能が足りないと、施術時間が長くなりスタッフの負担も増えます。
1日に施術できる人数が減れば、売上にも直結します。
お客様の満足度を重視するなら、できるだけ新しい世代の機器を選ぶのがおすすめです。
デメリット⑤ 競合との差別化が難しい
競合サロンでも広く使われている機種を中古で導入すると、機器の性能で差をつけられません。
その場合は、コンセプトや価格など別の要素で差別化する必要があります。
競合より新しい機器を導入すれば、それだけで分かりやすい強みになります。
近隣に競合が多いエリアでは、型落ちの中古を選ぶデメリットが特に大きくなるでしょう。
中古エステ機器の主な入手先と注意点
中古のエステ機器は、主に次の3つのルートで入手できます。
ルートによってリスクの大きさが異なるため、特徴を押さえておきましょう。
- 中古の美容機器を扱う販売・買取業者
- ネットオークション・フリマアプリ
- 閉店・移転するサロンからの直接譲渡
中古の美容機器を扱う販売・買取業者
3つのルートの中では、比較的リスクを抑えやすい入手先です。
動作確認やクリーニングを済ませた状態で販売され、独自の保証を付けている業者もあります。
ただし、保証の期間や範囲は業者ごとに異なります。
「どの部品の故障まで対象か」「修理はどこが行うか」を購入前に書面で確認しましょう。
ネットオークション・フリマアプリ
価格は安い反面、もっともトラブルが起きやすい入手先です。
実物を確認できず、届いてから不具合に気づいても返品できないことがあります。
出品者が専門業者でない場合、使用歴やメンテナンス状況を正確に把握できません。
サロンのメイン機器を探す手段としては、おすすめしにくいルートです。
閉店・移転するサロンからの直接譲渡
知人のサロンなどから譲り受ける場合は、使用状況を直接聞けるのが利点です。
一方で、個人間の取引になるため保証はほぼ期待できません。
機器がリース契約中のものでないかも必ず確認してください。
リース中の機器は所有者がリース会社のため、原則として勝手に売買できません。
中古のエステ機器を購入する前のチェックポイント8つ

デメリットを理解したうえで中古品を選ぶ場合は、次の8項目を確認しましょう。
- 機器の状態と動作
- 製造元・型番・製造年
- 付属品・消耗品の有無
- 売却理由
- 保証の有無と期間
- メーカーの修理・消耗品の供給状況
- エステサロンで使える機器かどうか
- 同じメーカーの機器を使った経験
①機器の状態と動作
正常に動くかどうかは、もっとも基本的な確認項目です。
可能であれば実機を見て、電源を入れて各モードの動作を確かめましょう。
ハンドピースの傷やケーブルの劣化は、衛生面や安全面にも関わります。
②製造元・型番・製造年
製造元や型番が分からない機器は、修理や部品の問い合わせができません。
本体の銘板などで製造元・型番・製造年を確認し、メーカーの公式情報と照らし合わせましょう。
③付属品・消耗品の有無
ハンドピースや専用ジェル、取扱説明書などがそろっているかを確認します。
付属品が欠けていると、追加購入の費用がかかるうえ、入手できないこともあります。
④売却理由
前の持ち主が手放した理由は、失敗しない機器選びのヒントになります。
主な理由は、サロンの廃業や機器の故障、新しい機器への買い替えです。
発売から日が浅いのに買い替えで手放されている場合は、性能に不満があった可能性も考えられます。
⑤保証の有無と期間
販売店の動作保証が付いているか、付いている場合はその期間と範囲を確認します。
メーカー保証が残っていても、譲渡すると対象外になるケースがあるため注意が必要です。
⑥メーカーの修理・消耗品の供給状況
購入前にメーカーへ問い合わせ、修理や消耗品の供給が続いているかを確かめましょう。
サポートが終了している機種は、故障した時点で使えなくなるリスクが高まります。
⑦エステサロンで使える機器かどうか
中古市場には、医療機関向けの機器が出回っていることもあります。
医師免許のない人が医療行為にあたる施術を行うと、医師法に違反するおそれがあります。
厚生労働省の通知では、レーザーなど強いエネルギーの光で毛乳頭などを破壊する行為は医行為とされています。
この判断は、用いる機器が医療用かどうかを問いません。
用いる機器が医療用であるか否かを問わず、レーザー光線又はその他の強力なエネルギーを有する光線を毛根部分に照射し、毛乳頭、皮脂腺開口部等を破壊する行為
医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて(平成13年11月8日 医政医発第105号)
HIFU(高密度焦点式超音波)も、エステでの施術について厚生労働省から見解が示されています。
詳しくは「業務用ハイフはエステで使えない?厚労省通知の内容と代わりの機器の選び方」をご覧ください。
出力や用途が分からない中古機器は、エステで使ってよいか判断できないため避けるのが無難です。
⑧同じメーカーの機器を使った経験
使ったことのないメーカーの機器を中古で選ぶのは、慎重に考えましょう。
サポートがない状態で、操作や手入れを一から覚える必要があるからです。
反対に、使い慣れた機種であれば中古のデメリットは比較的小さくなります。
中古以外で業務用エステ機器を低コストで導入する方法

中古を買わなくても、導入時の負担を抑える方法はあります。
代表的な方法は次の5つです。
- シンプルな機能のマシンを選ぶ
- 分割払い(月額払い)を選ぶ
- レンタル・リースを活用する
- 補助金・助成金を活用する
- 導入後サポートを含めた実質価格で比較する
一つずつ解説します。
シンプルな機能のマシンを選ぶ
機能を絞ったシンプルなマシンを選ぶと、新品でも導入費用を抑えられます。
業務用エステ機器は、機能が多いほど高額になる傾向があるからです。
多機能な複合機は1台で多くのメニューに対応できますが、施術できるのは一度に1人です。
シンプルな機器を2〜3台そろえれば、複数のお客様を同時に施術できます。
提供したいメニューが決まっているなら、必要な機能に絞って選ぶのが効率的です。
機器の種類ごとの特徴や価格帯は「業務用エステ機器・エステマシンのおすすめ30選」で比較できます。
分割払い(月額払い)を選ぶ
メーカーによっては、分割払いで新品の機器を導入できます。
初期費用を無料または少額にでき、開業直後の資金繰りが楽になるのが利点です。
一方で、金利や手数料がかかるため、一括払いよりも総額は高くなります。
資金に余裕があれば一括払い、経営が軌道に乗ってから繰り上げ返済するなどの使い分けも可能です。
金利や手数料の条件はメーカーごとに異なるため、事前に確認しましょう。
レンタル・リースを活用する
レンタルやリースは、機器を購入せずに借りて使う方法です。
まとまった初期費用がかからず、月々の料金で最新機器を導入できます。
ただし、レンタルとリースは仕組みが異なります。
- レンタル:短期間から借りられ、比較的解約しやすい。月額料金は割高になりやすい
- リース:数年単位の契約が一般的。原則として中途解約できず、解約する場合も残りの料金を支払う必要がある
どちらも借り物のため、不要になっても売却はできません。
長く使うほど購入より総額が高くなる点にも注意が必要です。
まずはレンタルで機器を試し、満足できたら購入に切り替えるといった計画的な使い方がおすすめです。
関連記事:業務用エステ機器のレンタル!メリットやデメリットについて解説
関連記事:エステ機器の導入はリースがお得?レンタルとクレジットとの比較
関連記事:業務用脱毛機はレンタルできる?導入のメリット・デメリットを詳しく解説
補助金・助成金を活用する
国や自治体の補助金・助成金を使えば、新品の機器を導入する負担を減らせる場合があります。
制度ごとに対象経費や申請期間が決まっており、原則として採択前に購入した費用は対象外です。
機器を買う前に、使える制度がないかを確認しておきましょう。
制度の種類や申請の流れは「業務用美容機器に使える補助金・助成金制度」で解説しています。
導入後サポートを含めた実質価格で比較する
機器を比較するときは、本体価格だけでなく導入後サポートの価値も含めて考えましょう。
メーカーによっては、操作研修や集客支援など経営コンサルティングに近いサポートを受けられます。
たとえば本体価格200万円の機器で、他社なら50万円かかるサポートが付くとします。
この場合、機器そのものの実質価格は150万円と考えられます。
保証や修理対応も含めた実質価格で比べると、中古との差は見た目より小さくなることがあります。
中古のエステ機器に関するよくある質問
中古のエステ機器はメーカーに修理を依頼できますか?
メーカーや機種によって対応が異なります。
有償で修理を受け付けるメーカーもあれば、中古品や販売終了品は対象外とするメーカーもあります。
購入前に型番を伝えて、修理の可否と費用の目安を確認しておくと安心です。
中古のエステ機器は何年くらい使えますか?
使用頻度やメンテナンス状況によって大きく異なり、一概には言えません。
実際に使える期間を左右するのは、本体の寿命よりも修理や消耗品の供給が続くかどうかです。
メーカーのサポート状況を必ず確認しましょう。
開業時に機器はすべて新品でそろえるべきですか?
売上の中心となるメイン機器は、保証とサポートのある新品が安心です。
使用頻度の低い補助的な機器は、状態や保証を確認したうえで中古を検討する方法もあります。
開業に必要な機器の種類は「エステ開業に必要な機器の種類と選び方」を参考にしてください。
まとめ
中古の業務用エステ機器は、本体価格を抑えられる点が魅力です。
一方で、メーカーの保証やサポートを受けられず、故障や消耗品の生産終了で使えなくなるリスクがあります。
中古を選ぶ場合は、次の点を必ず確認しましょう。
- 機器の状態と、製造元・型番・製造年
- 販売店の保証と、メーカーの修理・消耗品の供給状況
- エステサロンで使ってよい機器かどうか
導入費用を抑える方法は中古だけではありません。
分割払いやレンタル・リース、補助金を組み合わせれば、新品でも初期負担を減らせます。
本体価格だけでなく、保証やサポートを含めた実質価格で比較することが失敗しないポイントです。
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