① 小顔マシンに使われる代表的な技術と考え方
RF・EMS・微弱電流など方式ごとの違いと、エステで扱えないHIFUの注意点を整理します。
② 失敗しない小顔マシンの選び方5つ
技術・施術時間・価格帯・安全性・サポートの5点で比較します。
③ 導入コストと運用面で見ておきたいこと
本体価格だけでなく維持費と回収期間の試算まで含めて判断します。
小顔マシンとは、RF(高周波)やEMSなどの技術を用いて、顔まわりの引き締め感や見た目の印象をサポートする施術に使われる業務用美容機器の総称です。特定の1台を指す言葉ではなく、複数のメーカーがそれぞれの方式で機器を展開しています。価格帯は、単機能機で数十万円台、複合機や主力機では数百万円台までと幅があります。
導入で失敗しないためには、まず「エステで扱える技術か」を確認し、そのうえで施術時間・価格帯・手技との組み合わせ方を既存メニューに当てはめて考えることが欠かせません。この記事では、業務用エステ機器メーカーのb-modelsが、技術の種類から選び方、費用の回収計画、導入までの流れまでを順に解説します。
小顔マシンとは?サロンで使われる主な技術
「小顔マシン」とは特定技術の名称ではなく、顔まわりの引き締め感やすっきりとした印象をサポートする施術機器の総称です。まずは代表的な技術と、エステで扱えない機器、適切な効果表現のポイントを確認しておきましょう。
RF(高周波)・EMSなど代表的な技術
エステサロンの小顔マシンは、高周波の温感刺激や微弱な電気刺激で肌・筋肉に働きかける機器が中心です。主な技術は次の4つです。
- RF(高周波・ラジオ波):肌や皮下組織を温め、温感ケアとして使われます。手技と組み合わせやすいタイプもあります。
- EMS:電気刺激で表情筋に働きかけ、引き締め感を目指すメニューに使われます。
- 微弱電流(マイクロカレント):刺激が穏やかで、肌のコンディションを整えるケアに使われます。
- 吸引・ローラー:フェイスラインの流れを意識したマッサージを機器で補助するタイプです。
1台に複数の技術を搭載した複合機もあります。同じ「小顔マシン」でも、搭載技術や出力の調整幅はメーカーによって異なります。顔の部位や肌状態に合わせて出力を細かく調整できるかも確認しておきましょう。
ラジオ波の方式(モノポーラ・バイポーラ)や安全面の違いは、業務用ラジオ波機器の種類と選び方で詳しく解説しています。
HIFU(ハイフ)はエステサロンでは使えない
小顔施術として知られるHIFU(高密度焦点式超音波)は、エステサロンで導入できる機器ではありません。
厚生労働省は2024年6月の通知で、HIFUを用いた施術は医行為に当たり、医師免許のない者が行うと医師法違反になると示しました。背景には、やけどや神経のしびれなどの健康被害の相談が続いていたことがあります。
中古市場や海外通販では、HIFU機器が「業務用小顔マシン」として販売されている例も見られます。導入候補の機器がHIFUに当たらないか、方式の表記を必ず確認しましょう。
「小顔」という言葉の扱い方
効果を保証する表現は避ける必要があります。輪郭の見た目印象をサポートする施術として案内し、効果の感じ方には個人差がある旨を伝えることが大切です。 「必ず小さくなる」「誰でも輪郭が変わる」といった断定的な説明は、景品表示法や薬機法の観点からもリスクになります。メニュー名やSNSの紹介文では「すっきりとした印象へ」「引き締め感をサポート」のように、体感や印象の範囲で表現しましょう。POINT
「小顔マシン」という名前だけで選ばない
「小顔マシン」という言葉は特定の1台を指すものではありません。同じ名称で紹介されていても、RF・EMSなど搭載技術や出力調整の幅はメーカーごとに異なります。導入前に方式の違いと施術時間・使用感を確認しましょう。
小顔マシンをサロンに導入するメリットと確認したい点
小顔マシンの導入は、既存メニューの幅を広げる選択肢の一つです。メリットと、あわせて確認したい点を見ていきましょう。
メニューの幅を広げられる可能性
既存のフェイシャルメニューに組み込みやすい点が、小顔マシン導入のメリットとして挙げられます。単体メニューとしてだけでなく、オプションメニューとしても提案しやすくなります。 既存のフェイシャルコースに15〜30分の小顔オプションを加えるだけでも、新メニューとして打ち出せます。どのメニューが売れやすいかは、エステサロンの人気メニューと売れるメニュー作りのコツも参考にしてください。手技メニューと組み合わせる考え方
既存の手技と組み合わせられるかどうかも、導入を検討する際の視点になります。機器施術と手技を組み合わせることで、既存の技術を活かしたメニュー設計がしやすくなります。 例えば手に装着して使うタイプのRF機器であれば、施術者の手技を活かしながら機器の温感刺激を加える設計が可能です。ラフォスウィング(RAFOSWINGS)のようなフリーハンド型の高周波機器も、こうした組み合わせを想定した機器の一例です。ラフォスシリーズの仕組みや機種の違いはラフォス(RAFOS)の効果・仕組みと機種の違いで紹介しています。 フリーハンド型なら、マッサージの手技を変えずに温感刺激を追加できるため、既存スタッフの技術を活かしたまま新メニューを増やしやすいのが利点です。導入時には、手技との組み合わせの実演デモを依頼すると、メニュー設計のイメージがつかみやすくなります。導入メリットを確認するチェックポイント
- 既存メニューと重複しないか
- 価格帯・客単価とのバランスが取れるか
- 手技メニューと組み合わせやすいか
- スタッフが短期間で操作を覚えられるか
- 施術単価×月間回数で回収を試算したか
失敗しない小顔マシンの選び方5つ
導入を具体的に検討する段階では、次の5点を順に確認すると判断しやすくなります。
1. 搭載技術がメニューの目的に合っているか
どんなお客様に、どんな施術体験を届けたいかを先に決めましょう。温感でリラックスしてもらうメニューならRF、引き締め感を重視するならEMSというように、目的によって向く技術が変わります。
手技を中心にしたサロンなら、手技と組み合わせて使えるタイプが既存スタッフの技術を活かしやすくなります。
2. 施術時間が予約枠に収まるか
1回あたりの施術時間が既存メニューの時間枠に収まるかどうかを確認しましょう。小顔マシンの単体メニューは30〜60分程度が目安ですが、施術時間が長い機器を短時間メニューに組み込むと、予約枠の調整が難しくなります。
オプションとして組み込む場合は、既存のフェイシャル施術に15〜30分を上乗せする形で設計すると、予約枠を大きく変えずに客単価を上げられます。施術前後のカウンセリングや着替えの時間も含めて確認することが大切です。
3. 価格帯とターゲット層が合っているか
価格帯を既存メニューとの整合性の中で設計することが重要です。小顔リフト系のメニューは、サロンや地域によって異なりますが、1回5,000円〜2万円程度に設定されることが多い傾向があります。
極端に安い価格設定は、他のメニューの価値やサロン全体のイメージにも影響しかねません。ターゲットとする客層が受け入れられる価格か、既存メニューと差別化できるかを事前に確認しておきましょう。
4. 安全機能とスタッフ教育の体制があるか
業務用機器は家庭用より出力が高いため、温度管理や異常時の自動停止などの安全機能を確認しましょう。
あわせて、ペースメーカーを使用している方や妊娠中の方など、施術を控えるべきお客様の基準が取扱説明書に明記されているかも見ておきます。スタッフが短期間で操作を覚えられるよう、操作研修の範囲も導入前に確認が必要です。
5. 費用と保証・サポートの内容は十分か
本体価格だけでなく、維持管理にかかる費用まで含めて検討することが導入判断の基本です。業務用エステ機器の価格帯は、単機能機で数十万円台、複合機や主力機では数百万円台までと幅があります。
消耗品や保守費用は機種によって差があります。見積もりの際は、保証期間、修理対応のスピード、消耗品費まで含めた総額で比較しましょう。
小顔マシンの導入費用と回収計画の立て方
費用は「初期費用」と「ランニングコスト」に分けて確認し、施術単価と月間回数から回収期間を試算します。
導入費用で確認したい項目
見積もりを比較するときは、次の項目が含まれているかを確認しましょう。
| 項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 本体費用 | 本体・付属品・設置費 |
| 消耗品・保守費 | 交換部品・定期点検費 |
| 研修費 | 操作研修の範囲 |
| 保証内容 | 保証期間・修理対応 |
※表は横にスクロールできます。
回収期間の試算方法と導入方法の選び方
導入コストの回収は、施術単価×月間施術回数で試算できます。
例えば本体価格150万円の機器で、1回1万円のメニューを月20回提供できれば、月の売上は20万円です。消耗品などのランニングコストを差し引いた利益で本体価格を割ると、おおよその回収期間が見えてきます。
4回・6回などのコース契約で販売すれば、継続的な施術機会を増やしながら回収期間を短くしやすくなります。
初期投資を抑えたい場合は、リースやレンタルで月額払いに対応している販売店もあります。違いはエステ機器のリースとレンタル・クレジットの違いで解説しています。
また、条件を満たせば機器の購入費が補助金の対象になる場合もあります。対象となる制度は業務用美容機器に使える補助金・助成金でまとめています。
POINT
導入コストは「施術単価×月間施術回数」で回収を試算する
例として、施術単価1万円のメニューを月20回提供できれば、月20万円の売上になります。本体価格と月々のランニングコストを合わせた導入コストが、何か月で回収できるかを購入前に計算してみましょう。
ご注意
小顔マシンの仕上がりや効果の感じ方には個人差があります。断定的な効果表現は避け、機器の仕組みや施術内容を客観的に説明することが大切です。
小顔マシン導入までの流れ
導入を決めてから施術を始めるまでは、次の5ステップで進めるとスムーズです。
- 目的と客層を整理する:どの客層に、どの時間枠・価格でメニューを出すかを決めます。
- 候補機器の資料を集め、実機で使用感を確かめる:手技との組み合わせ方や操作のしやすさを確認します。
- 見積もりを比較する:本体・消耗品・保守・研修・保証を含めた総額で比べます。
- スタッフ研修と施術マニュアルを整える:出力設定や禁忌事項、カウンセリングの説明内容を統一します。
- メニュー名・料金・告知文を決める:効果を断定しない表現で、既存顧客から案内を始めます。
フェイシャル機器全体の中から候補を比べたい場合は、業務用フェイシャル機器・フェイシャルマシンのオススメ41選もあわせてご覧ください。
よくある質問
Q.小顔マシンとはどのような機器を指しますか?
A.特定の1台を指す言葉ではなく、RF(高周波)やEMSなどの技術を用いて、顔まわりの見た目印象をサポートする機器全般を指すことが一般的です。
Q.小顔マシンを導入すれば必ず効果を感じられますか?
A.効果の感じ方には個人差があり、効果を保証する説明は避ける必要があります。機器の仕組みや施術内容を正しく伝えることが大切です。
Q.小顔マシンは手技メニューと組み合わせられますか?
A.フリーハンド型の高周波機器など、手技と組み合わせて使う設計の機器もあり、既存メニューに組み込みやすいタイプもあります。
Q.導入コストはどのように確認すればよいですか?
A.本体価格だけでなく、消耗品費・保守費・研修費まで含めた総額で比較し、既存メニューとの価格バランスも踏まえて判断しましょう。
Q.エステサロンでHIFU(ハイフ)の小顔マシンは使えますか?
A.使えません。厚生労働省は2024年6月の通知で、HIFUを用いた施術は医行為に当たり、医師免許のない者が行うことは医師法違反になると示しています。エステサロンで小顔メニューを導入する場合は、RFやEMSなどエステで扱える技術の機器から選びましょう。
Q.小顔マシンは購入以外の方法でも導入できますか?
A.リースやレンタルで導入できる販売店もあります。初期費用を抑えられる一方、総支払額や契約期間、中途解約の条件は購入と異なるため、見積もりの段階で確認しておきましょう。
まとめ
小顔マシンの導入で大切なのは、エステで扱える技術を選び、効果を誇張せずに既存メニューや客層に合う形で取り入れることです。HIFUは医行為に当たるため、エステサロンでは導入できません。
機器選びでは、次の5点を確認しましょう。
- 搭載技術がメニューの目的に合っているか
- 施術時間が予約枠に収まるか
- 価格帯とターゲット層が合っているか
- 安全機能とスタッフ教育の体制があるか
- 費用と保証・サポートの内容は十分か
費用は本体価格だけでなく維持費まで含めて比較し、施術単価と月間施術回数から回収期間を試算したうえで判断することが大切です。
監修者株式会社b-models 代表
楠本 文哉
新卒で東証一部上場の大手コンサルティングファーム株式会社「船井総合研究所」に入社し、エステサロン経営専門のコンサルタントとして活躍。歴代美容コンサルタント売上の中で、トップの年間個人コンサルティング売上を納める。また、社内コンサルタントが1,000名以上在籍する中、売上TOP10入りを果たす。開発したビジネスモデルの「痩身機器を使用したダイエットエステ」は3年間で80店舗以上のリブランドと新規出店を実現。業界誌「エステティック通信・モアリジョブ」のメディア取材や「メーカー企業との講演」を多数行うなど、活躍の場を広げている。


