
① 美容機器OEMの基本的な仕組み
自社ブランドとして美容機器の製造を委託する仕組みのことです
② 小ロット生産のメリットと考え方
小ロットなら在庫リスクを抑えながら自社ブランド展開に挑戦しやすくなります
③ 依頼から納品までの流れ
企画から量産・納品まで、どのような流れで進むかがわかります
美容機器のOEMとは、メーカーに製造を委託し自社ブランドとして販売する仕組みです。卸仕入れのように既製品をそのまま仕入れるのではなく、小ロットからでも自社の名前で機器を展開できる点が特徴です。
本記事では、美容機器OEMの基本的な考え方から、卸仕入れや完全オリジナル開発との違い、小ロットで依頼する際の一般的な流れ、契約や品質面で確認しておきたい注意点までを解説します。
美容機器のOEMとは?小ロット生産の基本を理解する
OEMとは「自社ブランドで製造を委託する」仕組みのことです
美容機器におけるOEMとは、メーカーに製造を委託し、完成した機器を自社ブランドとして販売する仕組みを指します。仕入れ先メーカーの名前ではなく、自社の社名やブランド名、ロゴを機器本体やパッケージに表示できる点が特徴です。サロンチェーンや代理店、これから独自ブランドを立ち上げたい事業者などが活用を検討するケースが増えています。
OEMでは基本設計を土台にしながら、外装デザインの配色や操作パネルの表示、出力設定といった機能の一部をカスタマイズできるケースが一般的です。どこまで仕様を変更できるかは委託先メーカーの対応範囲によって異なるため、依頼前の確認が欠かせません。
「卸仕入れ」とは異なる仕組みである点に注意
OEMは、既に完成した他社ブランドの機器をそのまま仕入れて販売する「卸仕入れ」とは異なる仕組みです。卸仕入れでは、メーカーや卸売業者がすでに用意している機種をそのまま仕入れて店舗や顧客に提供します。一方でOEMは、自社が主体となって企画や仕様を決め、製造をメーカーへ委託するのが特徴です。
そのため、卸仕入れは短期間で商品ラインナップを揃えたい場合に向いており、OEMは自社ブランドの構築や差別化を重視したい場合に向いています。目的に応じてどちらの調達方法が合っているかを見極めることが大切です。
「小ロット」が意味する生産数量の考え方
小ロットとは、大量生産を前提とせず、比較的少ない数量から製造を依頼できる方式を指します。小ロットといっても対応可能な最小数量はメーカーの設備や取扱品目によって異なるため、一律の基準があるわけではありません。
小ロットで発注できれば、在庫を抱えすぎるリスクを抑えながら自社ブランド機器の展開を試すことができます。まずは小ロットで市場の反応を確認し、その後の生産数量や展開規模を検討するという進め方も選択肢のひとつです。
美容機器をOEMで製造するメリットと他の調達方法との違い
自社ブランドとしての展開がしやすくなる
OEMの特徴は、自社ブランド名やロゴを表示した美容機器として展開できる点にあります。サロンや販売店が独自のブランド名を機器に表示することで、同型の既製品を扱う他社との見え方の違いを打ち出しやすくなります。
ブランド名やロゴを統一することで、店舗の世界観や販売戦略に合わせた商品構成を組み立てやすくなる点も、OEMを検討する理由のひとつとして挙げられます。
POINT
ブランド表示は差別化の手段のひとつ
自社ブランドでの展開は他社との違いを示す手段になりますが、それ自体が販売実績や成果を保証するものではありません。仕様や価格、アフターサポート体制なども含めて総合的に検討することが大切です。
流通・価格の設計をコントロールしやすくなる
OEMでは、販売価格や取引条件を自社の方針に合わせて設計しやすくなる点も特徴です。既製品の卸仕入れでは、メーカーが定める価格体系や販売条件に従う場面が多くなりますが、OEMであれば自社ブランドとして独自の価格戦略や販売チャネルを組み立てやすくなります。
ただし、価格設定の自由度が増える一方で、在庫管理やアフターサポートといった役割も自社で担う場面が増える点には留意が必要です。
卸仕入れ・完全オリジナル開発と比較して整理する
OEM・卸仕入れ・完全オリジナル開発の3つは、コストや自由度のバランスが異なる調達方法です。それぞれの特徴を理解したうえで、自社の目的や事業規模に合った方法を選ぶことが重要になります。
なお、ここでの完全オリジナル開発とは、既存の基本設計を使わず、企画・設計の段階から機器を新たに作り上げる方法を指します。OEMが土台となる設計を活かすのに対し、完全オリジナル開発はゼロから作り上げる点が異なります。
| 項目 | OEM(小ロット生産) | 卸仕入れ | 完全オリジナル開発 |
|---|---|---|---|
| ブランド表示 | 自社ブランド名やロゴを表示できる | メーカー・卸元のブランド表示が基本 | 自社ブランドで一から開発する |
| 仕様の自由度 | 一定範囲内でカスタマイズを相談できる | 既存モデルの仕様がそのまま適用される | 設計段階から柔軟に調整できる |
| 投資規模の目安 | 卸仕入れより増えやすいが完全オリジナルより抑えやすい傾向 | 比較的抑えやすい傾向 | 大きくなりやすい傾向 |
| 必要な期間の目安 | 打ち合わせから納品まで一定の期間が必要 | 発注から納品までが比較的短い | 企画から量産まで長期化しやすい |
| 向いている事業者像 | 自社ブランドを持ちたい販売店・サロンチェーンなど | まず既存モデルを扱ってみたい事業者 | 独自技術・設計にこだわりたい事業者 |
※表は横にスクロールできます。
それぞれにメリット・デメリットがあるため、目的・投資規模・展開スピードのバランスを考慮して選定するのがおすすめです。
小ロットOEMを依頼する一般的な流れ
企画から量産・納品までのステップ
小ロットOEMの依頼は、企画段階から量産・納品まで複数の工程を経て進むのが一般的です。ここでは代表的な流れを順に紹介します。実際の工程やスケジュールは委託先メーカーや製品の仕様によって異なります。
1
Step1.企画・仕様の整理
どのような機器をどのようなブランドで展開したいか、目的やターゲット、想定する仕様の方向性を社内で整理します。この段階の内容が後工程の打ち合わせの土台になります。
2
Step2.委託先メーカーの選定
小ロットに対応可能か、実績や品質管理体制、対応できるカスタマイズ範囲などを確認しながら候補となるメーカーを絞り込みます。複数社を比較検討することが望まれます。
3
Step3.サンプル・試作の確認
仕様書やデザイン案をもとに試作品やサンプルを製作してもらい、外観や操作性、想定していた仕様との差異を確認します。必要に応じて修正を依頼します。
4
Step4.品質・認証面のチェック
美容機器は電気を用いる製品であるため、電気用品安全法など関連する安全基準への適合状況や、品質管理の体制について確認します。契約条件もあわせて書面で取り交わしておきます。
5
Step5.量産・納品
確認が済んだ仕様をもとに量産を依頼し、検品を経て納品されます。納品後の初期不良対応についても、事前に取り決めておくと安心です。
各工程で確認しておきたいポイント
各工程では、仕様のすり合わせと品質確認を丁寧に行うことが重要です。特にサンプル確認や量産前の最終チェックを省略すると、想定と異なる仕上がりになるリスクが高まります。
小ロットOEMを依頼する前に確認したいこと
- 委託候補メーカーの実績や対応範囲を確認したか
- 仕様書やデザインの要望を明文化できているか
- サンプル・試作品を確認する工程を設けているか
- 電気用品安全法など関連する安全基準への対応を確認したか
- 契約書でブランドデザインの知的財産権の帰属を明記しているか
- 不具合発生時の責任範囲や対応方法を取り決めているか
小ロットOEMを依頼する際に確認しておきたい注意点
委託先メーカーの実績・信頼性を確認する
OEMを依頼する際は、委託先メーカーの実績や対応体制を事前に確認することが欠かせません。美容機器は電気を用いる製品であるため、これまでの製造実績や品質管理体制についてできる限り具体的に確認しておくことが望まれます。
品質・認証面の基準を満たしているか確認する
美容機器のOEMでは、電気用品安全法など関連する安全基準への適合状況を確認することが重要です。国内で流通させる電気機器には電気用品安全法をはじめとする法令や基準が定められているため、委託先メーカーが試験結果の提出や適合表示についてどのような対応を行っているか事前に確認しておく必要があります。
ご注意
OEMでの美容機器製造にあたっては、委託先メーカーの実態や実績を十分に確認したうえで進めることが重要です。電気用品安全法など関連する安全基準への適合状況、ブランドデザインや意匠に関する知的財産権の帰属、不具合発生時の責任範囲といった契約条件は、必ず書面で明確にしておきましょう。
契約条件を書面で明確にしておく
契約書にブランドデザインの知的財産権や不具合発生時の責任範囲を明記しておくことが、後のトラブル防止につながります。口頭でのやり取りだけで進めてしまうと、意匠やロゴの権利の帰属、不良品が出た際の対応費用の負担について認識の違いが生じ、量産開始後に追加費用や納期の遅れといったトラブルにつながりかねません。
補足
契約内容は製品の仕様や取引条件によって異なるため、必要に応じて専門家に確認しながら進めると安心です。表示に関する広告表現についても、景品表示法など関連するルールを踏まえた確認が求められます。
PRIMARY SOURCE
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業務用美容機器のカテゴリ例
どのようなカテゴリの機器をOEMで検討するか迷った際の参考として、業務用美容機器の取扱カテゴリ例をご覧いただけます。自社ブランド展開を検討する機器のイメージづくりにご活用ください。
よくある質問
Q.美容機器のOEMと卸仕入れは何が違いますか?
A.卸仕入れは既に完成した他社ブランドの機器をそのまま仕入れる方法です。一方OEMは、自社が主体となって仕様やブランド表示を決め、製造のみをメーカーに委託する方法である点が異なります。
Q.小ロットとは具体的に何台くらいを指しますか?
A.対応可能な最小数量はメーカーの設備や取扱品目によって異なるため、一律の基準はありません。まずは複数の候補先に相談し、対応範囲を比較してみましょう。
Q.OEMを依頼するとどのくらいの期間がかかりますか?
A.企画内容やカスタマイズの範囲、サンプル確認の回数などによって必要な期間は変わります。委託先メーカーに早い段階でスケジュール感を確認しておくと計画が立てやすくなります。
Q.OEMで美容機器を作る際に特に注意すべき点は何ですか?
A.委託先メーカーの実績確認、電気用品安全法など関連する安全基準への適合状況、ブランドデザインの知的財産権の帰属、不具合発生時の責任範囲を契約書で明確にしておくことが重要です。
まとめ
美容機器のOEMとは、自社ブランドとして機器の製造をメーカーに委託する仕組みです。卸仕入れのように既製品をそのまま仕入れるのではなく、小ロットからでもブランド表示や仕様の一部を自社の判断で決められる点が特徴です。
依頼にあたっては、企画・仕様の整理からメーカー選定、サンプル確認、品質・認証面のチェック、量産・納品という流れを踏むのが一般的です。委託先メーカーの実績や品質管理体制の確認、契約条件の明文化を丁寧に行うことが、後のトラブルを防ぐうえで重要になります。
OEM・卸仕入れ・完全オリジナル開発にはそれぞれ異なる特徴があります。自社の目的や投資できる規模を踏まえたうえで、どの調達方法が自社のブランド戦略に合っているかを検討してみましょう。
監修者株式会社b-models 代表
楠本 文哉
新卒で東証一部上場の大手コンサルティングファーム株式会社「船井総合研究所」に入社し、エステサロン経営専門のコンサルタントとして活躍。歴代美容コンサルタント売上の中で、トップの年間個人コンサルティング売上を納める。また、社内コンサルタントが1,000名以上在籍する中、売上TOP10入りを果たす。開発したビジネスモデルの「痩身機器を使用したダイエットエステ」は3年間で80店舗以上のリブランドと新規出店を実現。業界誌「エステティック通信・モアリジョブ」のメディア取材や「メーカー企業との講演」を多数行うなど、活躍の場を広げている。


