エステサロンの経営では、月100万円の売上が一つの目安とされています。サロンオーナー様一人で経営する個人サロンであれば、月100万円の売上があればエステ経営の成功と呼んでも良いでしょう。しかし多くのエステサロンでは、月100万円の壁を越えられずに悩んでいることがほとんどです。
では、どのような施策を行えばエステサロンの売上アップを実現し、安定した黒字経営を目指せるのでしょうか。
本記事では、エステサロンの売上を構成する3つの要素と、売上アップを叶える具体的な施策について解説していきます。エステサロンの開業を考えている方や、売上アップを目指したい方は、ぜひ最後までチェックしてみてください。
エステサロンの売上を構成する要素とは?
エステサロンの売上アップを目指すためには、まず売上を構成している3つの要素について押さえておく必要があります。マーケティングの世界では、エステサロンのような店舗ビジネスの売上を左右するのは、次の3つであるとされています。
- 集客数
- 客単価
- リピート率
それぞれの要素を掛け合わせて計算し、「集客数 × 客単価 × リピート率 = 売上」という計算式で売上を算出することができます。売上は3つの要素の足し算ではなく、掛け算によって決まるため、たとえば新規のお客様の集客にだけ力を入れ、客単価が安くリピートもされなければ、売上は伸び悩んでしまいます。
そのため効果的に売上アップを目指すためには、この3つの要素をバランスよく伸ばしていくことが大切になります。次項からは、それぞれの要素を改善して売上アップするための、具体的な施策についてご紹介していきます。
エステサロンの集客数を上げて売上アップする3つの施策
まずはエステサロンの集客数を上げることで、売上をアップさせる施策についてです。ここでは次の3つのポイントについて詳しく解説していきます。
- コンセプト・ペルソナを明確化する
- メニューや価格設定を見直す
- SNS集客を活用する
一つずつご紹介しましょう。
コンセプト・ペルソナを明確化する
エステサロンの売上アップのために新たなお客様の来店を促すには、コンセプトやペルソナの明確化が欠かせません。コンセプトはお店の方向性や強み、差別化ポイントを決めるもので、コンセプトが定まっていなければ、お客様がご自身のサロンを選ぶ理由がなくなってしまいます。「このサロンでしか受けられない」「このサロンだからこそ通いたい」と思えるようなコンセプトを決めて、ライバル店との差別化を図りましょう。
また、コンセプトを決める際には、たった一人の理想のお客様を意味する「ペルソナ」を定めておくことも効果的です。これまでのリピート率や客単価が最も高いお客様を参考に、年代や性別、職業や家族構成などを含めて理想のお客様像を作ってみましょう。このペルソナをもとに広告のキャッチフレーズを変更したり、SNSを運用したりすることで、高い集客効果が期待できるようになるでしょう。
メニューや価格設定を見直す
エステサロンの売上アップのために、新規のお客様に強力に訴求できるようなメニュー・価格設定を取り入れてみるのもおすすめです。ライバル店をリサーチし、他店よりも安いメニューを提供したり、セットメニューを増やしてお得な雰囲気を演出したりと、一度試してみたくなるような施術を提案できるのが理想です。
ただし安さを強調するために価格設定を下げすぎると、「この値段で安心して受けられるのか」といった不安につながるほか、エステサロンの経営状態を悪化させるリスクもあります。そのため他店とのバランスを考えながら、低すぎず高すぎないメニューを設定するのが大切です。
SNS集客を活用する
エステサロンの売上アップを叶えるための施策として、SNS集客を活用することも重要です。エステサロンの主なターゲット層である20代〜30代の女性は、SNSを活用して情報収集する方も多く、エステサロンとの相性が非常に良い集客媒体の一つです。TwitterやInstagramなどは「バズる」時の拡散性にも優れており、一対一のコミュニケーションを取りやすい特徴もあります。
何よりもSNS集客は無料で始められる点がメリットで、小規模なお店や個人サロンでも気軽に導入しやすい集客方法です。SNSへの投稿には、お店のPRやクーポン情報だけではなく、自宅でできるセルフエステやスタッフ紹介など、広告感を抑えたコンテンツを選ぶと、フォロワーを獲得しやすくなるでしょう。
エステサロンの客単価を上げて売上アップする3つの施策
次に、エステサロンの客単価を上げることで売上アップを目指す3つの施策をご紹介します。
- 期間限定メニュー・セットメニューで客単価を上げる
- 物販に力を入れる
- 業務用エステ機器を導入する
それぞれの施策の具体例を取り上げていきましょう。
期間限定メニュー・セットメニューで客単価を上げる
エステサロンの客単価を高めて売上アップを目指すのであれば、期間限定メニュー・セットメニューを活用するのが効果的です。ボディエステに加えてフェイシャルエステをセットで提供したり、季節に合わせたケアメニューを提案したりできると、お客様の「ついで買い」を促すことができます。カウンセリングシートを活用してお客様の悩みを深掘りし、理想の結果を得るために役立つ提案ができると、売り込み感を減らしながら顧客満足度を高めることができるでしょう。
どのような期間限定メニュー・セットメニューが効果的なのかわからない場合には、他店のメニュー表を参考にしたり、お客様アンケートで新メニューへの要望を書いてもらったりするのがおすすめです。
物販に力を入れる
エステサロンの売上アップには、施術だけではなく物販の促進も効果的です。美意識が高まっている施術帰りのタイミングで手に取ってもらえるよう、セルフケアに役立つ化粧品やサプリメントを用意しておくことで、客単価向上に役立ちます。
ただしお客様の中には、化粧品などの売り込みに苦手意識を感じることも多いため、直接的な訴求は避けた方が良いでしょう。カウンターなどのお客様の目に入りやすい場所に陳列し、お客様の悩み解決に本当に役に立つ場合にのみ、さりげなく提案してみるのがおすすめです。
業務用エステ機器を導入する
最新の業務用エステ機器を導入し、施術メニューの質や幅を広げることにより、エステサロンの客単価アップと売上アップを叶えることが可能です。たとえば、業務用の痩身マシンについては1台で7つの施術を提供できる株式会社b-modelsのエステ機器「スリムショックⅡ」などを活用すると、お客様のさまざまな悩みに対応する施術を提案しやすくなります。
旧式のエステ機器やオールハンドの施術と比較し、施術時間の短縮も見込めるため、サロンの回転率向上にもつながるメリットがあります。一括払いだけではなくレンタルプランにも対応したエステ機器であれば、初期費用を抑えて最新機器を導入できるので、ぜひ検討してみてください。
エステサロンのリピート率を上げて売上アップする4つの施策
エステサロンのリピート率を上げることで売上アップを目指す場合の、4つの施策は以下の通りです。
- お客様アンケートを実施して取り入れる
- クーポンやLINE公式アカウントを案内する
- ウェルカムカードを用意する
- 接客マニュアルを用意する
順番にご紹介していきます。
お客様アンケートを実施して取り入れる
売上アップのためにリピート率を改善したい場合、お客様アンケートを実施し、お客様の声をエステサロン経営に反映するのが効果的です。アンケートは、来店後にLINEでアンケート回答をお願いしたり、ホットペッパービューティーやGoogleマイビジネスの口コミを依頼したりと、お客様が正直に思っていることを書き込めるのが理想です。
エステサロンでは直接言えない要望であっても、帰宅後や匿名のアンケートであれば、素直な意見を寄せてもらえる可能性が高いです。お客様から厳しい意見があると向き合うために勇気が必要になりますが、サロン経営を大きく改善してくれるヒントが詰まっているので、ぜひ参考にしましょう。
クーポンやLINE公式アカウントを案内する
来店歴のあるお客様に対し、次回使えるクーポンやエステサロンのLINE公式アカウントを案内することで、次回の来店を促すことも売上アップに効果的です。店舗のLINEアカウントを登録してもらうことで、こちらからお客様への個別アプローチも可能になるほか、次回予約を入れるハードルを下げることも可能です。
ただしお客様にとってエステサロンのLINEに登録することは、煩わしい通知やメッセージに悩まされるイメージを持たれる可能性もあります。そこでLINEに登録するメリットを感じてもらえるように、LINE限定のクーポンや問い合わせへの自動応答メッセージ、お役立ちコラムの配信などを設定しておくのがおすすめです。
ウェルカムカードを用意する
お客様がエステサロンへ来店した際に手書きで歓迎メッセージを用意するウェルカムカードも、リピート率を改善して売上アップを実現するのに役立ちます。お客様の名前や前回の施術のフォローなどを手書きで書いたウェルカムカードは、お客様が特別な存在であることを示し、お店から大切にされていると実感するきっかけになります。
心理的な効果が非常に高い一方で、個人のエステサロンでは大きな負担にもならないため、ぜひ今日から試してみることをおすすめします。
接客マニュアルを用意する
エステサロンの売上アップのために、スタッフ向けに接客マニュアルを用意することも、リピート率の改善に役立ちます。お客様への施術メニューの提案や、お悩みや希望のヒアリングなど、スタッフ向けの統一された接客マニュアルがあると、スタッフごとの顧客満足度の違いや売上の違いを解消しやすくなります。
接客に自信がないスタッフにとっても、定番のトーク術のテンプレート形式の会話術があると、お客様と接しやすくなるでしょう。ただし厳しく締め付けるマニュアルは、接客スキルの高いスタッフの良さが失われてしまう可能性もあるため、あくまで参考として利用してもらえるマニュアルを作成しましょう。
個人エステサロンの平均売上はどれくらい?
エステサロンの売上アップを目指したいサロンオーナー様の中には、他の店舗がどのくらいの売上を稼いでいるのか気になることも多いでしょう。エステサロンの平均売上について調べたデータは少なく正確には断言できませんが、私たち株式会社b-modelsが経営コンサルティングで携わってきたサロンオーナー様の場合、月平均100万円の売上が目安となっています。
これはベッド1台あたりの売上目安で、ベッドが2台の場合は月200万円、3台であれば月300万円が目安となるでしょう。現在月100万円以下の売上にとどまっている場合には、価格設定や物販の利用方法などを見直し、売上アップの施策を考えることをおすすめします。
エステサロンの平均売上やサロンオーナー様の年収については、下記のページも参考にしてみてください。
売れるエステティシャンの特徴
売れるエステサロンやエステティシャン、サロンオーナー様に共通する特徴として、マーケティングを深く理解しているという傾向があります。無意識で実践している方も多いですが、ここで言うマーケティングとはお客様の悩み・現状を理解し、お客様が理想とする状態までの道筋を提案できることを指します。
たとえば脱毛サロンに通うお客様は、ただムダ毛をなくしたいと考えて予約するわけではありません。ムダ毛をなくしてツルツルの肌を手に入れた先に、自分に自信を持って仕事でもバリバリ結果を残したいと考えている方や、彼氏や旦那様に喜んでもらいたいと考えている方もいます。
こうしたお客様への施術の先を見据えているエステティシャンは、自然と客単価が上がり、リピート率も向上していきます。ご自身のエステサロンでは、単にお客様の表面的な希望を叶えるだけになっていないか、お客様のお悩みの深掘りができているかを改めて見直してみると、売れるエステサロン経営にも直結するでしょう。
まとめ
エステサロンの売上がアップするかどうかは、「集客数 × 客単価 × リピート率 = 売上」という計算式にかかっています。本記事でも解説してきた通り、売上アップのための集客数・客単価・リピート率の改善にはさまざまな施策があるので、ご自身のサロンにあったものを選び実践していくことをおすすめします。
いくつかの施策を試したが効果が見られない場合や、専門家からのアドバイス・コンサルティングが欲しい場合には、ぜひ私たち株式会社b-modelsの開業・経営支援サービスを活用してみてください。b-modelsでは、業務用エステ機器の販売をはじめ、資金調達・販売メニューの構築から集客媒体の代行まで、ワンストップで経営・開業サポートを提供しています。興味がある方は、ぜひ下記のページからお気軽にお問い合わせください。