「自宅サロンを新しく始める場合、開業するまでに何をすればいいの?」
「自宅サロンは気軽に始めやすいけど、メリットだけでなくデメリットも知りたい」
「サロンを開業したいけど初期費用を抑えられるか不安」
独立してサロンの開業を目指す方にとって、上記のようなお悩みが出てくるかと思います。
自宅サロンは自宅の一室をサロンとして利用するため、内装費や設備などの初期費用を最初に用意すれば、後はランニングコストだけで家賃がかかりません。
ただし、自宅サロンは始めやすいというメリットもある反面、デメリットもあります。
本記事では自宅サロンの始め方について、開業までの手順やメリット・デメリット、実際にかかる費用の目安をご紹介します。
自宅サロンとは?
自宅サロンとは、自宅の一部をサロンとして開放して営業することです。
居住地なので一軒家やマンションなどの集合住宅など形態はさまざまです。
自宅サロンのオーナーは、仕事量や勤務時間を自由に決められるため、家事や育児、プライベートを両立しやすいでしょう。
また、場合によっては自分の好きなことや得意なことを活かしてサロン開業することもできます。
自宅サロンの種類
自宅サロンには、さまざまな種類や業種があります。
代表的な自宅サロンの種類を見ていきましょう。
美容系
美容系サロンは、エステサロンやネイルサロン、まつ毛サロンなどがあります。
エステティシャンやネイリストが開業することが多いです。
- トリートメント系
ボディケアやフットケア、フェイシャルなどお肌や身体に直接触れてマッサージを行うサロンです。
アロマセラピストやフットセラピストが開業することが多いです。 - メンタル系
カウンセリングやヒーリング療法で、お客様のお悩みに対してアドバイスをすることが目的のサロンです。
心理療法士やカウンセラーが開業することが多いです。 - 健康系
電磁波療法やよもぎ蒸しなど健康器具での体験を目的としたサロンです。
体験した健康器具や関連グッズの販売を伴うことが多いです。
自宅サロンのメリット・デメリット
メリット
自宅サロンのメリットを見ていきましょう。
初期費用を抑えられる
自宅サロンの最大のメリットは、初期費用を安く抑えられることです。
自宅の一室を使用するため、物件を他に借りる必要がありません。そのため、敷金や礼金、物件取得費等がかからないので大幅なコストダウンが見込めます。
初期費用を安く抑えることで、自宅サロンの開業当初になかなか集客できなくても、なるべく赤字になるリスクを下げられます。
近隣の情報がわかりやすい
自宅がサロンなら近隣周辺の情報がわかりやすいため、ターゲットの年齢層やメニューの費用を設定しやすいです。
お客様も近隣から来られることが多いため、近所の美味しいお店や新しくできた施設などの近隣情報の話題で会話も弾みやすいでしょう。
家事や育児が両立しやすい
自宅がサロンになっているので、予約が入っていない時は家事など家の用事を済ませることができるため、子供が帰ってきてからもスムーズに家事を進められます。
外に働きに出ていると勤務時間中は家の中の仕事が一切できないため、休日にまとめて片付ける必要があり、自分の時間を取れないことが多いです。
そのため、自宅で仕事をすれば家事や育児の両立がしやすいでしょう。
家賃の心配がない
テナントを借りてサロンを開業する場合、家賃保証が家賃の6か月~12か月分かかるため、初期費用で100万円単位の額が必要になることがあります。
内装費や設備費もかかりますが、初期費用で一番負担になるのが家賃と家賃保証です。
その点、自宅サロンなら家賃を払う必要がなく経費にできるため、家賃の心配をすることなく開業できます。
仕事場で移動する必要がない
自宅サロンなら出勤する必要がないので、移動する時間もありません。
出勤のために電車の時間に合わせて慌てて準備することもないため、移動にかかる時間を家事や仕事に当てられます。
稼働時間が自由に決められる
自宅で開業する場合、営業日時を自由に決められるというメリットがあります。
自分の好きな時間やタイミングで予約を取れるので、子供の学校行事や習い事で仕事を休む必要がありません。
また、マイペースに営業できるので、家事や育児、趣味などの充実した時間を作れます。
失敗しても損失が少ない
自宅サロンは初期費用が抑えられ家賃もかからないので、万が一うまくいかなかった場合でも損失が少なく済みます。
開業してみたものの、「思うように集客ができなかった」「ランニングコストが思った以上にかかった」「妊娠や引っ越しなどで続けられなくなった」などの理由で、自宅サロンを継続できないこともあります。
自宅サロンの場合は失敗したとしても、テナントで物件を借りる場合に比べて損失は少ないです。
デメリット
自宅サロンはメリットだけでなく、デメリットもあります。
デメリットも知ることで、失敗や後悔のない起業ができます。
自宅に生活感を出さないように気を遣う
自宅サロンは居住空間をサロンとして開放するため、普段自分が使っている玄関やトイレなどをお客様に使用して頂く機会があります。
お客様は非現実的な空間に癒しを求めに来ているので、共用部分に生活感があるとマイナスなイメージを持たれてしまいます。
生活感を出さないためにも、私物などはなるべく隠して目に触れないようにし、生活臭が出ないようにニオイケアにも気を付けましょう。
仕事とプライベートの区別が難しい
家の一部で仕事をしているので、部屋を移動すればすぐに家事ができる等のメリットがありますが、切り替えが難しいデメリットもあります。
お客様が来店している時以外にも予約の確認やサロンの掃除など、家に居ながらすべき仕事もあるので、仕事とプライベートを区別しないと無駄な時間を過ごしてしまいます。
家で自由に仕事ができる分、家事や育児が疎かになってしまうこともあるため、バランスを考えてオンとオフの切り替えが必要です。
集客をするのが難しい
自宅サロンは自宅の住所を公開する場合があるため、大々的に宣伝するのが難しいことがあります。
女性が一人でサロンを経営していると知られてしまうと、セキュリティの面でも問題があるでしょう。
住所は予約をしてくれたお客様だけにメールで伝える、などといった工夫が必要です。
自宅サロン開業にかかる初期費用
内装費
自宅サロンでは生活感が出やすいため、サロンの非現実的な空間を演出するためにも内装は必須です。
リフォームのように大掛かりに行う必要はなく、壁紙を変えたり照明を設置するなどして生活感が無いような雰囲気を作る程度です。
内装はサロンの雰囲気を左右するので、インテリアにどこまでこだわるかがポイントになります。
予算としては10~30万円くらいは見ておきましょう。
機材や設備費
施術で使用する美容マシンなどの機材は、リースにするか購入するかによって費用に幅があり、購入する場合も新品か中古かによって変わります。
選ぶ機材や設備によって費用は抑えられますが、安さだけを重視してしまうと故障してもサポートが受けられない場合があります。
導入する機材も複数の会社の商品で比較検討し、アフターフォローなどの体制も合わせて確認しておきましょう。
機材や設備費は10~50万円はかかると見ていきましょう。
広告費
広告費は集客のためには外せない初期費用です。
宣伝してこそ集客につながるため、どこまで費用をかけられるかがポイントになります。
ホームページやチラシ作成はアプリやパソコンソフトを利用して自分で作成すれば無料ですが、パソコン操作に慣れていない場合は時間がかかります。
時間を無駄にしたくない場合はプロに任せた方が仕上がりが良いですし、一度作成すれば同じテンプレを使い回しすることができ、ホームページの管理費だけで済むこともあります。
ホームページの作成は5~10万円位で、ページ数や画像数、サポート体制によって費用が変わります。
チラシはデザインだけを依頼し、自分で印刷をして配布すれば費用を抑えられます。デザイン料は10,000~30,000円くらいが相場です。
InstagramやFacebookなどのSNSは無料で利用できるため、アカウントを作成しましょう。
広告費は無料で利用できるものを上手に活用することで、初期費用を抑えられます。
ランニングコスト
ランニングコストは毎月定期的にかかる費用です。開業時の初期費用だけでなく、一定にかかる費用になるので注意が必要です。
施術マシンのレンタル費用やリース代、予約・決済システムの使用料、消耗品などです。
自宅サロン開業の初期費用は100万円位かかると見ておきましょう。
内装や設備などこだわるともっとかかりますが、必要最低限でスタートして軌道に乗ってきたらメニューを増やして機材を導入したり、広告費にかけたりしてみるのもいいでしょう。
株式会社b-modelsでは、エステサロンにとって必要なものをマシンと一緒に製品化しています。
できるだけ初期費用を抑えられるような導入サポートをさせて頂いております。
詳しくは下記をご覧ください。
自宅サロンを開業するまでの7つ手順
手順①事業資金を準備する
- 自己資金を用意する
自分自身が持っている資金や貯蓄を活用する方法です。
負担は軽減されますが、限られた資金しかない場合は不十分な場合があります。 - 資金調達のための融資を利用する
銀行や信用金庫、助成金、補助金などから融資を受ける方法です。
金利や返済期間などの条件をよく考慮する必要があります。 - クラウドファンディングを利用する
インターネット上でプロジェクトの支援を募集する方法です。
ビジネスプランや報酬などを支援者にアピールする必要があります。 - 投資家を探す
ビジネスプランを作成し、投資家を探す方法です。
投資家からの出資には、ビジネスプランや将来性に対する説得力が求められることがあります。
手順②事業計画書を作成する
事業計画書の作成は、自宅サロンを開業する前にどのようなビジネスを行うかを整理するために必要です。
自宅サロンを運営する上での目標や計画を策定するために作成することで、経営方針や戦略を明確にできます。
開業するために必要な資金を算出できるため、資金調達もしやすくなるでしょう。
資金調達の際に資金提供者(銀行など)から事業計画書の提示を求められることがあります。内容が明確だと信頼を得られやすくなるので、人に見せるつもりで作成してみましょう。
手順③必要な備品を揃える
カウンセリングや施術で必要な備品、お客様が使用する物や自身で身に付ける物が必要になります。サロン専用の用具やユニフォームなどは専門の卸業者から購入できます。
消耗品や小物類はドラッグストアや雑貨店でも購入できますが、いつでもストックがあるようにしておきましょう。
大型家具や施術マシンは場所を取るため、部屋の大きさやお客様、施術者の動線を考えた上でサイズを検討した方が安心です。
お客様の肌に触れるショーツやシーツなどは使い捨ての物を選ぶと衛生的に良いです。
- 施術用家具
マッサージベッド、施術用椅子、スツールなどの施術用家具が必要です。 - 施術機材
痩身マシン、美容マシン、スチーマー、脱毛機などの施術で使用する機材が必要です。 - ベッド関連備品
使い捨てシーツ、タオル、枕、マッサージベッド、ホットマットに関連する備品が必要です。 - 消毒用品
アルコール消毒液、除菌シート、手袋、掃除用具などの消毒用品が必要です。 - 美容器具
マッサージオイル、クリーム、ローション、ブラシ、スパチュラ、スポンジ、タオルウォーマー、手鏡などの器具が必要です。 - 着替え用の衣類
使い捨てショーツ・ブラジャー、ガウンなどお客様が身に付けるものが必要です。 - 照明器具
明るさを調整できる照明器具が必要です。 - 音楽再生機器
BGMとして音楽を流すための音楽再生機器が必要です。 - 衛生用品
紙コップ、紙皿、紙エプロン、トイレットペーパー、使い捨てスリッパなどの衛生用品が必要です。 - 制服
毎回統一した服装にするなら、制服、エプロン、ルームシューズなどが必要です。 - 書類関係
カウンセリングシート、筆記用具、契約書、領収書などが必要です。
手順④内装を整える
部屋はそのまま使用すると殺風景な印象になります。自宅サロンといってもお客様はお店として来店されるので、サロン用に内装を整える必要があります。
- 部屋のレイアウトを検討する
どのような施術を行うかによって、レイアウトを決定します。
マッサージベッドや施術マシンなど大きな家具から設置し、必要な備品を配置して動線を確認します。 - 照明の設置を検討する
照明は、落ち着いた雰囲気を作るために重要な役割を持つアイテムです。
明るさを調整できる照明器具を取り入れることを検討しましょう。 - 壁や床の装飾を検討する
ウォールステッカーや絨毯、クッションなどを使えば、温かみのある空間を作ることができます。
壁紙を変えるだけでも部屋の印象を大きく変えられるので、サロンの雰囲気に合った壁紙にしましょう。 - 器具や消耗品の収納方法を考える
空間を有効活用し、必要な器具や消耗品をスムーズに取り出せるように収納方法を考えましょう。
使い勝手が良く、清潔感がある収納方法を選ぶことをおすすめします。 - 空気の流れを考える
室内の空気が悪くならないよう、窓の開閉や空気の入れ替えを頻繁に行いましょう。香りも演出には欠かせません。
また、清潔な空気を保つために、空気清浄機の設置も検討してください。
手順⑤届け出や許可を申請する
自宅サロンを開業するためには、届け出や許可を申請する必要があります。
基本的に施術者の資格は不要ですが、まつ毛エクステを行う場合は美容法で定められた美容行為となるので、美容師免許が必要です。
- 市町村役場への届け出
個人事業の開始届出書を提出します。
必要な書類や手続きは各市町村によって異なるため、事前に確認が必要です。 - 税務署への届け出
開業後1か月以内に「開業届」を提出し、青色申告か白色申告か選択して開業後2か月以内に提出します。
必要な書類や手続きは税務署によって異なるため、事前に管轄の税務署に確認が必要です。 - 建築基準法の届け出
サロンを設置する部屋の床面積や窓の面積、換気設備などが基準を満たしていることを証明する書類を提出します。
建築基準法に関する届出については市町村役場によって異なるため、事前に確認が必要です。
手順⑥予約・決済サービスを導入する
予約や決済に必要なサービスを導入するとスムーズに対応でき、予約ブッキングなどのトラブルを回避できます。
- 予約・決済サービスの提供者に申し込む
カレンダー管理、予約受付、クレジットカード決済などが提供されるサービスを導入する方法です。 - 予約管理アプリやシステムを利用する
オンライン予約アプリやシステムを利用して、自宅サロンのホームページから予約を受け付ける方法があります。
無料で使えるオンライン予約アプリがたくさん出ているので、選ぶときは評価の高いものを選ぶといいでしょう。 - SNSを活用する
InstagramやFacebookなどのSNSアカウントを作成し、DMやメッセージなどで予約を受け付ける方法です。
無料で利用でき、同時に画像やテキストで宣伝もできるため、開業が決まったらアカウントを開設しましょう。
手順⑦集客する
集客方法は売上を大きく左右するので、色々な方法を試してみるといいでしょう。
多くの人の目に触れることで認知してもらえます。
- サロンのホームページを作成する
自宅サロンのホームページを作成し、施術内容や料金、アクセス方法などを掲載する方法です。
予約フォームを設けることで、ホームページを見た人が予約することができます。 - SNSを活用する
InstagramやFacebookなどのSNSを活用し、自宅サロンの情報や施術内容を発信する方法です。
ハッシュタグや広告などを活用して、より多くの人にアプローチできます。 - クーポンを配布する
自宅サロンの新規顧客獲得のために、クーポンを配布する方法です。
SNSやホームページ、チラシなどでクーポンを配布し、新規顧客の獲得が狙えます。 - ポータルサイトや口コミサイトに登録する
ポータルサイトや口コミサイトに自宅サロンを登録する方法です。
口コミサイトでは、良い評価がつくことで信頼性が高まり集客につながることがあるため、登録しておくことをおすすめします。
まとめ
自宅サロンの始め方、開業までの順序について解説しました。
自宅の一部をサロンにするためハードルは低いですが、開業までには初期費用がかかります。
自宅サロンを成功させるためには、開業までの手順やメリット・デメリットを事前に知っておくことが大切です。
仕事とプライベートを充実させるためにも、自分のスタイルに合った自宅サロンを目指していきましょう。
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