脱毛サロンや痩身エステなど、サロン経営を続けていく中では、経営者であるオーナー様はさまざまな悩みに直面します。売上についての悩みや集客についての悩み、あるいは採用・人材育成についての悩みなど、サロン経営には悩みがつきものです。
ある悩みを解決したとしても、次から次へと新たな課題が生まれてくるため、休む暇がないと感じる経営者の方も多くいらっしゃいます。しかし一つひとつの悩みを丁寧に克服するにつれて、サロン自体も経営者としても成長し、サロン経営を成功へと導けるようになります。
そこで本記事では、サロン経営者が直面する悩みの原因と解決法を、7つのテーマに分けてご紹介していきます。以下の中でご自身が抱えている悩みに近いものがあれば、ぜひ参考にしてください。
サロン経営の悩み① 新規集客がうまくいかない
一つ目の悩みは、新規集客がうまくいかないという課題です。サロン経営を続けるためには、毎月の人件費や賃料、エステ機器の支払いに充てるための資金が欠かせません。そうした資金を生み出すのは毎月のサロンの売上であり、売上を大きく左右するのがお客様の来店数=集客です。
特に開業直後のサロンであれば、既存のお客様のリピートが見込めないため、100%新規集客でお客様を呼び込む必要があります。SNS、チラシ、ホットペッパービューティーなど、さまざまな集客媒体を使っても成果が得られないと、集客に課題を感じることも多くなるでしょう。
原因
新規集客がうまくいかないという悩みの背景には、いくつかの原因が考えられます。
- コンセプトが明確になっていない
- 差別化ができていない
- お客様に認知されていない
- 集客導線を作れていない
- WEB媒体を使いこなせていない
競合のサロンと比べてご自身のサロンではどんな価値を提供するのか、競合ではなくご自身のサロンを選ぶ理由はどこにあるのかが明確になっていないと、サロンの強みをアピールできずに競合に埋もれてしまいます。開業したばかりのサロンでは、そもそもお店の存在が認知されていないため、お店の前をお客様が素通りしてしまっている状況かもしれません。
また、SNSや広告などを使って集客に力を入れていたとしても、予約方法が複雑だったり、お客様に直接連絡する手段(メルマガ、LINEなど)がなかったりすると、集客効果が半減してしまいます。
チラシ・看板・フリーペーパーなどの旧来の集客方法が中心で、WEB媒体を使った集客に苦手意識がある場合にも、集客に悩みを抱えてしまうケースが多いでしょう。
解決法
新規集客についての悩みを解消し、お客様からの予約が絶えないサロンを作るためには、まず明確なコンセプトを定めることが重要です。競合と比較してどこに強みがあるのか、お客様に一番アピールしたい部分はどこかをはっきりさせることで、サロンの謳い文句やキャッチフレーズが決まり、お客様の興味を惹く集客につながります。
また、SNSや広告などのWEB集客で集めた見込み客は、メルマガやLINE公式アカウントへの登録を促すようにしましょう。LINEから直接予約できるような仕組みを取り入れたり、LINE限定クーポンを配信したりすることで、お客様が直接サロンからのお知らせを受け取れる状態にすることが重要です。
開業直後でゼロから集客の仕組みを構築する場合には、周辺地域で人気が絶えないサロンをリサーチして、そのサロンがどのような集客方法でお客様を呼び込んでいるのかを参考にすると、ご自身のサロン経営での集客戦略が見えてくるでしょう。
サロン経営の悩み② リピート率が悪い
サロン経営においては、新規集客が重要であると思われがちですが、実はリピート客の方が重要なお客様だったりします。というのも、新規集客ではホットペッパービューティーの掲載料などの広告宣伝費が必ず発生しますが、リピート客は集客コストを一切かけずに来店してくれるからです。
しかしサロン経営の中では、新規集客は順調だがリピートにつながらない悩みや、リピート率が悪く集客コストが膨らんでしまう悩みも多いようです。リピート率を改善させることで、一気に黒字体質のサロン経営を目指せるようになるでしょう。
原因
リピート率が悪いという悩みの原因には、クーポン・キャンペーンを多用して「安さ」という価値でサロン経営してしまうことが挙げられます。初回限定のクーポンやキャンペーンは、新規集客では効果的ですが、2回目以降の予約が割高に感じられてリピート率が悪化する原因になってしまいます。
また、安さ重視のお客様が中心になってしまうため、サロンのコンセプトや世界観に共感してくれるリピート客が生まれにくくなるデメリットもあります。安さを理由に選ぶお客様だけではなく、サロン自体に魅力を感じて来店してくれるお客様を大切にしなければなりません。
解決法
リピート率が悪いという悩みを解決するためには、接客の質やサービスの質を地道に向上させていくことが重要ですが、お客様の気持ちに寄り添ったクロージングへ改善することも効果的です。
たとえば、これまでエステサロンに通った経験がある方には、サロンを切り替えた理由をヒヤリングしてお悩み解決を目指したり、なりたい自分の姿をお客様自身に言葉にしてもらいながら必要な施術を説明したりするのが効果的です。
ほかにも2回目以降のクーポンやキャンペーンを案内したり、施術を担当したスタッフから個別にLINEでメッセージを送ったりするのもおすすめです。
サロン経営の悩み③ 利益が残らない
サロン経営で直面する3つ目の悩みが、利益が残らないということです。毎月の売上はある程度確保しているが、出ていくお金が多くて手元にはほとんどお金が残らない状況です。利益が残らなければ、サロン経営者の報酬も減ってしまい、生活が苦しく感じてしまうでしょう。
利益が残らず余剰資金を確保できていないと、突然マシンが故障したり、重大なトラブルが発生した際に、現金が不足して黒字倒産を招くリスクも高まってしまいます。
原因
サロン経営において売上はあるが利益が残らないという悩みは、毎月の固定費やランニングコストの高さが原因であることが多いです。サロン経営での主な固定費には、賃料・家賃と人件費が挙げられますが、サロンの規模に対して高すぎるテナント料を払っていたり、過剰な人数のスタッフを雇ったりしていると、利益を大きく圧迫する結果となります。
また、サロン経営に欠かせない収支計算がどんぶり勘定になっていて、毎月どんな項目にどれくらいのお金が出ていっているのかが把握できていない場合にも、利益が残らないという悩みの原因になります。
解決法
サロン経営でより多くの利益を確保するためには、毎月の固定費の見直しが重要です。長期的な経営戦略も考慮しながら、より賃料が安いテナントに移転したり、余剰な人員を削減したりすることで、黒字体質のサロン経営を目指せるでしょう。
今すぐにサロンの移転や人員整理が難しい場合には、毎月の収支を数字で把握して、サロンのお金の動きを正確に把握することが重要です。お金の流れを整理する中で、無駄遣いや浪費をあぶり出しながら、利益が残るサロン経営を目指しましょう。
サロン経営の悩み④ 競合との差別化ができない
集客・売上を改善するために競合と差別化すべきだとわかっているが、どうしても差別化ができないという悩みを抱えるサロン経営者も多いです。サービスの質や技術力、口コミ評価でも競合のサロンに負けてしまうと感じ、ご自身のサロンの強みがどこにあるのかわからなくなってしまうケースもあります。
手っ取り早く競合のサロンと差別化するために、競合よりも安い価格を打ち出すパターンが多いですが、差別化できる強みがないサロンが価格競争に巻き込まれてしまえば、体力が削られて廃業に追い込まれるリスクが高まります。
原因
競合との差別化ができないという悩みの原因には、サロン経営者がサロンの強みやコンセプトを明確化できていないことが挙げられます。ご自身のサロンに対する自信の低さや、サロンで提供する施術・マシンの理解不足になり、強みやコンセプトが見つからないと悩んでしまうことが背景にあります。
また、サロン経営者がご自身のサロンを客観的に見れていないことが原因で、実際には差別化がしっかりとできているにも関わらず、コンセプトやサービスが迷走状態になっていることも考えられます。
解決法
サロン経営者がご自身のサロンの差別化を図るためには、まずターゲット層の見直しを検討してみるのが効果的です。女性向けのエステサロンが飽和状態のエリアでは、メンズエステに切り替えて競合と差別化するのも一つの戦略です。
また、競合のサロンをリサーチして、周囲のサロンでカバーしきれていないサービスをサロンの強みとするのもおすすめです。たとえば、競合のサロンで施術後のアフターサービスが充実しているお店が少ない場合には、競合との差別化ポイントとして、ケア用品の物販や施術後のお客様とのメッセージのやり取りに力を入れてみると良いでしょう。
サロン経営の悩み⑤ 優秀なスタッフが集まらない
サロン経営の規模が大きくなってくると、スタッフを雇用して施術の一部を任せるシーンも出てきます。しかし求人募集をかけても優秀なスタッフが集まらず、サロン経営者の忙しさが解消されないという悩みは非常に多いです。
エステ業界は業界全体が人手不足ということもあり、優秀な人材の奪い合いが起こっているのも事実です。一定以上の規模になると、人手不足はサロン経営の効率を低下させて客離れを起こす原因にもなってしまうため、一刻も早く解消しなければなりません。
原因
スタッフを募集してもなかなか集まらないという悩みの背景として、エステ業界全体で人手不足であることも挙げられますが、ご自身のサロンに職場としての魅力が感じられないことに原因があるのかもしれません。たとえば、サロンの求人をハローワークだけに出している状態では、サロンの魅力が伝えきれず応募したいと考える人が減ってしまうでしょう。
また、経験豊富で優秀なスタッフを採用したいと考える場合には、競合のサロンではなくご自身のサロンを選んでもらうための福利厚生や働きやすさ、他店との差別化も重要になってきます。
解決法
優秀なスタッフが集まらないという悩みを解決するには、これまでとは違った方法で求人募集してみることが効果的です。たとえば、これまでハローワークや店舗の張り紙、フリーペーパーなどで求人募集してきたサロンであれば、SNSで求人情報を発信したり、大手求人サイトに広告を出稿したりするのがおすすめです。
SNSは無料でアカウントを作成して、SNS上で転職先を探しているエステティシャンにアプローチできるメリットがあります。大手求人サイトには一定の広告料がかかりますが、専門のライターさんにサロンの魅力を深掘りしてもらい、働きやすい雰囲気の写真を撮影してもらうことで、職場としての魅力を感じてもらいやすくなるでしょう。
サロン経営の悩み⑥ スタッフの離職率が高い
サロン経営における人に関する悩みとして、スタッフの離職率の高さも挙げられます。せっかく採用したスタッフが数ヶ月ですぐに辞めてしまい、研修コストや採用コストだけが膨らんでしまう状況です。丁寧に指導してきた後輩がすぐに辞めてしまう状態が続くと、長く続けているスタッフのモチベーションにも影響してしまいかねません。
原因
スタッフがすぐ辞めてしまい離職率が高まるという悩みは、時代に合った労働環境ではないことが原因と考えられます。忙しさのあまり休憩時間が確保できなかったり、残業が毎日のように発生したりと、スタッフにとってストレスのかかる環境が早期離職を招いている可能性があります。
また、既存のスタッフとの人間関係がうまくいかず、人間関係のトラブルや悩みが原因になって退職に至るケースも少なくありません。
解決法
サロン経営においてスタッフの離職率を改善するためには、既存スタッフの声に耳を傾けたり、優秀なスタッフが集まる競合サロンの労働環境を参考にしたりするのが効果的です。整骨院や美容室など、エステ業界近い業界の労働環境をリサーチして、サロン経営に取り入れてみるのもおすすめです。
また、サロン経営者も積極的に現場に出てスタッフとのコミュニケーションを取り、人間関係を把握しておくことも重要です。スタッフ一人ひとりと個別に面談する機会を設けたり、仕事の悩みをLINEで相談しやすい環境を整えたりすると、スタッフの定着率も向上するでしょう。
サロン経営の悩み⑦ 何から手をつけたらいいかわからない
サロン経営における悩みとして最後に紹介したいのが、「何から手をつけたらいいかわからない」という悩みです。現状ではうまくいっていないことや、今のままでは良くないことはわかっているが、具体的にどこに問題があってどう改善したらいいのかが把握できていない状態です。
これはサロン経営者が独立・開業したばかりの、個人サロンや小規模なサロンで多く見られる悩みです。
原因
サロン経営がうまくいっていないことが頭ではわかっていても、何から手をつけたらいいかわからない状態は、周りに相談できる相手がいないことに原因があります。サロン経営者同士の横のつながりがある場合には、経営者仲間に相談して経験談やアドバイスを聞くことができるでしょう。
しかし横のつながりが少ないサロン経営者の場合、相談できる相手もおらず、ご自身でもなかなか解決できないので、「何から手をつけたらいいかわからない」という行き詰まりを感じてしまいます。
解決法
「何から手をつけたらいいかわからない」という悩みから脱却するためには、外部の専門家からの意見を聞いてみることが重要です。たとえばサロン経営を専門とするコンサルタントを招き、サロンの課題を指摘してもらうことにより、ご自身では気づかなかった改善点が見つかることも多いです。
サロン経営で困った時にすぐに相談できる相手がいれば、心理的にも余裕を持って日々の施術に取り組むことができます。エステ業界では、サロン経営を熟知したコンサル会社や、実績・経験が豊富なコンサルタントが多く見つかるので、一度サロン経営コンサルティングを受けてみるのもおすすめです。
なお、私たち株式会社b-modelsでも、サロン経営に悩みを持つオーナー様向けに経営・開業サポートをご提供しています。b-modelsでは、業務用エステ機器の販売をはじめ、資金調達・販売メニューの構築から集客媒体の代行まで、ワンストップで経営・開業サポートを受けることができます。
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まとめ
本記事でご紹介してきたサロン経営でよくある悩みは、以下の7つでした。
- 新規集客がうまくいかない
- リピート率が悪い
- 利益が残らない
- 競合との差別化ができない
- 優秀なスタッフが集まらない
- スタッフの離職率が高い
- 何から手をつけたらいいかわからない
それぞれのお悩みに対して、原因と解決法をそれぞれ解説してきましたので、今後のサロン経営の参考としてお役立てください。
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