
エステサロンで業務用美容機器を導入する際は、補助金や助成金を活用することで費用負担を大きく軽減できます。機器導入はもちろん、店舗設備の整備や人材育成にかかるコストも抑えられるでしょう。
しかし、補助金や助成金にはさまざまな種類があり「どの制度を利用できるのかわからない」とお悩みのオーナー様もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで本記事では、業務用美容機器に使える補助金と助成金の違いから、具体的な制度内容、申請方法までわかりやすく紹介していきます。
新しい業務用美容機器の導入を検討している方や、エステサロンを開業する予定の方は、ぜひ最後までご覧ください。
※2025年10月時点の情報です
補助金と助成金の違い

はじめに、補助金と助成金の違いについて説明します。どちらも国や地方公共団体から支給される返済不要の資金ですが、目的や性質が異なります。
補助金は経済産業省が管轄し、使用用途が指定されているのが特徴です。また、公募期間が短く審査もあるため、申請しても必ず受給できるわけではありません。
一方、助成金は厚生労働省の管轄で、雇用環境の改善や人材育成を目的としています。定められた要件を満たせば原則として受給でき、通年で募集しているものが多いです。
| 項目 | 補助金 | 助成金 |
|---|---|---|
| 使用用途 | 指定あり | 指定なし |
| 管轄 | 経済産業省、地方自治体など | 厚生労働省 |
| 募集 | 年に数回 | 通年 |
| 条件 | 審査あり | 要件を満たせば受給可能 |
| 金額 | 数百万〜~数千万円 (規模が大きい) |
数十万〜数百万円 |
業務用美容機器の導入に使える補助金

エステサロンにおける業務用美容機器の導入は、大きな初期投資のひとつです。そのため、補助金を適用できるのか気になるオーナー様も多いのではないでしょうか。
業務用美容機器の購入で直接利用できる補助金は、以下の2つです。
- 小規模事業者持続化補助金
- ものづくり補助金
ここでは、これらの助成金の対象となる経費や活用方法を詳しく解説していきます。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、販路拡大や生産性向上に取り組む小規模事業者を支援する制度です。従業員数が少ないエステサロンにとって、活用しやすい補助金といえるでしょう。
小規模事業者持続化補助金の特徴は、公募の頻度が高く、ほかの補助金制度と比較して申請のチャンスが多い点にあります。補助対象となる経費の範囲も広く、最新の業務用美容機器の導入費用はもちろん、集客用のチラシ作成やWebサイト制作、広告掲載費などで活用できます。
エステサロンの販路開拓に必要な経費が対象となるため、ユーザー拡大やリピート客の獲得に取り組んでいるオーナー様には、特に積極的に活用していただきたい補助金です。
ものづくり補助金
ものづくり補助金は、その名称から製造業向けの制度と思われがちですが、エステサロンのようなサービス業も対象に含まれます。正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」です。
この補助金は、革新的なサービス開発や生産プロセスの改善に資する設備投資などを支援するものです。エステサロンにおいては、新しい施術メニューに必要な業務用美容機器の導入や、顧客管理と予約システムを連携させた新たなサービスの提供への取り組みなどが対象となります。
補助が高額であるため、導入が難しかった高性能な機器を導入するチャンスにもなります。質の高いサービス提供で他店との差別化を図りたい場合に、非常に有効な制度だといえるでしょう。
業務用美容機器を取り扱うエステサロンで使える補助金

最新の業務用美容機器導入だけではなく、事業の転換やIT化、地域貢献など、サロン経営のさまざまな場面で活用できる補助金があります。ここでは、さまざまなニーズに対応する5つの補助金をご紹介します。
- 事業再構築補助金
- 地域商業機能複合化推進事業補助金
- 創業者向け補助金
- IT導入補助金
- 中小企業省力化投資補助金
事業計画と照らし合わせながら、補助金対象となるものを把握しておきましょう。
事業再構築補助金
事業再構築補助金は、新分野への展開・事業転換・業態転換など、事業の再構築に挑戦する中小企業を支援する制度です。
支給対象となる経費は以下のとおりです。
- 改修などの建物費
- 機械装置や技術導入費
- 広告宣伝費や販売促進費
- 研修費
- 外注費
また、補助対象となるのは新たな製品・事業で新たな市場に進出する場合や、事業を転換する場合です。
過去の採択例では、セルフエステやセルフ脱毛の新規事業などが挙げられます。新規性があるかが重要であるため、補助金を申請する際は、事業再構築補助金に該当するか事前に確認することが重要です。
地域商業機能複合化推進事業補助金
地域商業機能複合化推進事業補助金は、商店街の活性化を目的としており、地域住民のニーズに応える新たな事業の立ち上げを支援する制度です。
商店街の空き店舗などを活用してエステサロンを開業する場合、この補助金を利用できる可能性があります。対象となる経費も、以下のように幅広いのが特徴です。
- 業務用美容機器の購入費
- 店舗の改装費
- 集客のための広告宣伝費
以上のように、開業準備にかかる多くの費用を賄うことができます。地域コミュニティの新たな担い手として、商店街に賑わいをもたらすような事業計画を策定することが鍵となります。地域に根差したサロン経営を目指すオーナー様は、ぜひ検討してみてください。
>>中小企業庁:令和6年度補正「地域商業機能複合化推進事業(被災商店街等再建支援事業)」の概要について
創業者向け補助金
新たにエステサロンを開業しようと考えている方には、各都道府県や市区町村が独自に設けている創業者向けの補助金がおすすめです。この制度は、地域における新たなビジネスの創出を促し、産業を活性化させることを目的としています。
補助される金額の上限や補助率は自治体によって大きく異なるため、まずは開業を予定している地域のWebサイトを確認しましょう。創業時の大きな負担である初期投資を軽減し、スムーズなサロンのスタートを支援してくれます。
>> J-Net21:創業者向け補助金・給付金(都道府県別)
IT導入補助金
IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者がITツールを導入する際の経費の一部を補助し、生産性の向上を支援する制度です。
エステサロンの運営においても、以下のようなITツールの活用は欠かせません。
- オンライン予約システム
- CRM顧客管理ソフト
- POSレジ機能付き決済システム
- 会計ソフト
以上のようなITツールを導入することで、予約受付・会計処理・カルテ管理といった日常業務が大幅に効率化され、スタッフは本来の施術や接客に集中できるようになります。
結果として顧客満足度の向上にもつながるため、サロンの競争力強化に直結する有効な投資といえるでしょう。
>> IT導入補助金2025(サービス等生産性向上IT導入支援事業)ポータルサイト
中小企業省力化投資補助金
中小企業省力化投資補助金は、省力化につながる設備や機器の導入が対象となる補助金です。人手不足の解消や業務効率化を目的としています。
エステサロンの場合、施術時間を短縮できる業務用美容機器や、操作がシンプルでスタッフの教育負担を軽減できる機器、省電力性能に優れた設備などが、業務の効率化・省力化につながる投資として評価されやすい傾向があります。
人を増やさずにサロン運営の質を高めたい場合や、少人数体制でも安定した運営を目指したいオーナー様にとって、検討価値のある補助金といえるでしょう。
なお、中小企業省力化投資補助金は事業計画の内容にもとづく審査があります。
「導入することで業務がどのように効率化されるのか」や「どの工程の負担が軽減されるのか」を具体的に説明することが、申請時のポイントとなります。
業務用美容機器取り扱いエステサロンで使える助成金6選

ここまで解説してきた補助金が設備投資や販路開拓を支援するのに対し、助成金はおもに従業員の雇用や労働環境の改善を支援するのが特徴です。
ここでは、エステサロン経営で活用できる代表的な6つの助成金をご紹介します。
- キャリアアップ助成金
- 両立支援等助成金
- 地域雇用開発助成金
- 人材開発支援助成金
- トライアル助成金
- 業務改善助成金
スタッフが安心して長く働ける環境を整え、サロンの成長につなげましょう。
キャリアアップ助成金
キャリアアップ助成金は、パートタイマーや契約社員といった非正規雇用の労働者のキャリアアップを促進するために設けられた制度です。
具体的には、有期雇用労働者を正社員として登用したり、非正規雇用労働者の賃金規定を改定して昇給させたり、といった取り組みをおこなった事業主に対して助成金が支給されます。支援額は事業規模やコースにより異なりますが、正社員コースで1人あたり80万円が目安です(中小企業)。
優秀なスタッフに長く働いてもらうためには、安定した雇用形態と適切な処遇が不可欠です。キャリアアップ助成金を活用して正社員化の道筋を整えることで、スタッフのモチベーション向上と定着率アップが期待できるでしょう。
両立支援等助成金
両立支援等助成金は、従業員が育児や介護といった家庭の事情と仕事を両立しながら、安心して働き続けられる職場環境の整備に取り組む事業主を支援する制度です。
女性スタッフが多いエステサロン業界において、出産や育児と仕事の両立は重要な課題です。両立支援等助成金には、育児休業の取得を促進するコースや柔軟な働き方を支援するコースなど、さまざまな種類があります。
従業員が介護やライフステージの変化に左右されずにキャリアを継続できる環境づくりは、企業の魅力向上にもつながります。
地域雇用開発助成金
地域雇用開発助成金は、特に雇用機会が不足している地域において、事業所を新たに設置・整備し、その地域に居住する求職者を雇用した事業主に対して支給される制度です。
たとえば、都心部から離れた地域でエステサロンを開業し、地元の住民をスタッフとして雇用する場合などに活用できる可能性があります。対象となる地域や事業主の要件、対象経費などが細かく定められているため、厚生労働省のWebサイトや管轄の労働局で詳細の確認が必要です。
また、地域雇用開発助成金を受給するためには、エステサロンの設置や整備計画などを記した計画書を管轄のハローワークに提出する必要があります。
地域に根ざしたサロン経営を目指すオーナー様は、ぜひ一度チェックしてみてはいかがでしょうか。
人材開発支援助成金
人材開発支援助成金は、従業員の専門的な知識や技能の習得を目的とした職業訓練を実施する事業主を支援する制度です。
エステティシャンには、常に最新の美容知識や高度な施術スキルが求められます。人材開発支援助成金を活用すれば、外部の研修機関が実施する専門技術講習・接客スキル向上のためのセミナー・新たな資格取得のための費用負担を軽減できます。
助成を受けるためには、事前に職業能力開発推進者を選任し、事業内職業能力開発計画を作成・届出する必要があります。
スタッフ一人ひとりのスキルアップは、サロン全体のサービス品質の向上に直結します。従業員の成長を後押しし、顧客からより高い信頼をえるための投資として積極的に活用したい制度です。
トライアル助成金
トライアル助成金は、職業経験の不足などから就職が困難な求職者を、原則3か月間の試行雇用(トライアル雇用)として受け入れる事業主を支援する制度です。
エステティシャンの経験がない未経験者を採用し、実際の業務を通じて技術や適性を見極めたい場合に活用できます。期間中は、1人あたり月額最大4万円(一定の要件を満たす場合は5万円)が支給されるため、採用コストと教育期間中の人件費負担を抑えながら、人材を育成することが可能です。
経験者採用が難しい場合や、ポテンシャルを重視して人材を発掘したい場合に有効です。
>>厚生労働省ホームページ:トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)
業務改善助成金
業務改善助成金は、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を引き上げ、生産性向上に資する設備投資などをおこなった場合に、その費用の一部を助成する制度です。
たとえば、施術効率を大幅に向上させる最新の業務用美容機器を導入すると同時に、スタッフの最低賃金を引き上げる計画を立てることで、業務改善助成金の対象となる可能性があります。
設備投資によって業務効率が上がり、さらに賃金もアップすることで従業員の満足度向上と生産性向上の両立が期待できます。助成上限額も最大600万円と比較的高額なため、設備投資と従業員の待遇改善を同時に考えているオーナー様はチェックしておくとよいでしょう。
業務用美容機器を取り扱うエステサロンの開業資金

エステサロンを開業するにあたり、「どれくらいの資金が必要になるのか」はオーナー様にとって気になる点のひとつではないでしょうか。
開業形態によって初期費用は大きく異なりますので、ここでは代表的な3つのパターン「自宅サロン」「マンションサロン」「テナントサロン」の資金目安を見ていきましょう。
自宅サロンの場合
自宅の一部を改装して開業する自宅サロンは、3つの開業スタイルのなかでもっとも初期費用を抑えられる形態です。開業資金の目安は約30万円~です。
おもな内訳は以下のとおりです。
| 自宅サロンの開業資金内訳 | 費用の目安 |
|---|---|
| 光熱費や人件費などの運転資金 | 15万円~ |
| 内装費 | 0~20万円 |
| 業務用美容機器の購入費用 | 0~数百万円 |
| タオルや化粧品などの消耗品費 | 10万円~ |
| 広告宣伝費 | 5万円~ |
家賃や保証金が不要な点が自宅サロンの大きなメリットですが、生活空間との区別化や看板が出しにくいといった集客面の課題も考慮する必要があります。お客様にくつろいでいただくためにも、内装費はある程度かかると見積もっておきましょう。
自宅サロンは、まずは小規模で始めたい方や、副業としてエステサロンを経営したい方に適した開業スタイルです。
マンションサロンの場合
マンションサロンの開業資金は、150万円~が目安となります。賃貸マンションの一室を借りて開業するマンションサロンは、プライベートな空間を演出しやすく、顧客との信頼関係を築きやすい開業スタイルです。
開業資金の内訳は以下のとおりです。
| マンションサロンの開業資金内訳 | 費用の目安 |
|---|---|
| 光熱費や人件費などの運転資金 | 50万円~ |
| 家賃 | 10万円~ |
| 物件の契約金 | 50万円~ |
| 内装費 | 10万円~ |
| 業務用美容機器の購入費用 | 0~数百万円 |
| タオルや化粧品などの消耗品費 | 10万円~ |
| 広告宣伝費 | 30万円~ |
マンションサロンは、物件の家賃に加え保証金・礼金などの初期費用も含まれるため、自宅サロンよりは高額になります。また、テナントサロンと違い看板での集客ができないため、広告費も多めに見積もっておくとよいでしょう。
テナントサロンの場合
路面店や商業ビルの一角に店舗を構えるテナントサロンは、開業資金がもっとも高額です。開業資金は400万円~が目安とされています。
テナントサロンの開業資金について、内訳をまとめました。
| テナントサロンの開業資金内訳 | 費用の目安 |
|---|---|
| 光熱費や人件費などの運転資金 | 100万円~ |
| 家賃 | 20万円~ |
| 物件の契約金 | 100万円~ |
| 内装費 | 120万円~ |
| 業務用美容機器の購入費用 | 0~数百万円 |
| タオルや化粧品などの消耗品費 | 10万円~ |
| 広告宣伝費 | 50万円~ |
テナントサロンの内訳で大きく占めるのは、物件の契約金です。家賃の6~10か月分程度が保証金としてかかる場合もあるため、資金計画を念入りに立てる必要があります。
しかし、複数のスタッフを雇用して幅広いメニューを展開できるため、事業規模を大きくしたいサロンオーナー様に向いている開業スタイルだといえるでしょう。
エステサロンにおける補助金・助成金の活用方法

ここまで、エステサロンが対象となりうる補助金や助成金について解説してきましたが、実際どのような場面で使えるのか、疑問をもっているオーナー様もいらっしゃるでしょう。
エステサロンにおいては、以下のような場面で幅広く活用できます。
- 業務用美容機器を導入する
- 店舗を整備する
- 効果的に広告を出す
- 労働環境を改善する
ここからは、エステサロンで補助金・助成金を効果的に活用する4つの方法をさらに詳しく解説していきます。
業務用美容機器を導入する
最新の業務用美容機器導入は、サロンの価値向上や他店との差別化をはかるうえで重要ですが、高額な投資が必要です。ここで「ものづくり補助金」や「小規模事業者持続化補助金」を活用すれば、資金的な負担を大幅に軽減できます。
特に、従来機よりも安全性や施術効果が高い次世代型の機器を導入することは、サービスの革新性や生産性の向上につながるため、補助金の審査において高く評価される傾向にあります。
補助金をうまく活用して質の高い業務用美容機器を導入していけば、顧客満足度の向上と客単価アップにつながります。
店舗を整備する
お客様が快適に過ごせる空間づくりも、エステサロンでは大切なポイントです。店舗の改装や設備の更新には、「小規模事業者持続化補助金」などの補助金を活用できます。
たとえば、内装をリニューアルして高級感を演出する、お客様がリラックスできる待合スペースを設ける、施術ベッドを買い替えるなどの費用が対象です。
店舗整備への投資は、単に店舗がきれいになるだけではなく、顧客満足度を高めてリピート率を向上させる効果に期待できます。申請の際には、店舗整備がどのようにお客様への提供価値向上や業務効率化につながるのかを具体的に示すことがポイントです。
効果的に広告を出す
広告の宣伝費用も補助金の対象です。具体的には、「小規模事業者持続化補助金」「事業再構築補助金」「地域商業機能複合化推進事業補助金」などが使える場合があります。
- エステサロンの魅力を伝えるホームページの制作やリニューアル費用
- ターゲット層に直接アプローチできるSNS広告やWeb広告の出稿費用
- サロンのコンセプトを伝えるパンフレットやチラシの作成費用
以上のような広告費用に補助金を活用すれば、少ない負担で効果的な広告を出すことができます。高品質のサービスや最新の業務用美容機器を導入しても、お客様に知られなければ意味がありません。新規顧客の獲得や販路開拓のためにも、補助金を積極的に活用しましょう。
労働環境を改善する
労働環境の改善においては、おもに厚生労働省が管轄する助成金が役立ちます。「両立支援等助成金」や「人材開発支援助成金」などを活用し、働きやすい職場づくりを進めましょう。
具体的な活用例としては、以下のような取り組みが挙げられます。
- 提携ジムの割引など福利厚生の充実化
- スタッフが快適に休憩できる休憩室やロッカールームの整備
- 正確な労働時間管理と事務作業の効率化を両立する勤怠管理システムの導入
このような取り組みは従業員の満足度を高め、結果としてお客様へのサービス向上にもつながります。従業員が働きやすい環境を整えることが、優秀な人材の確保と定着を図るうえで欠かせません。
業務用美容機器に使える補助金・助成金のメリット

エステサロンにおいて補助金や助成金を活用することには、以下のような多くのメリットがあります。
- 返済義務がない
- 業務用美容機器の新規購入や買い替えが低リスクでできる
- サロンメニューの拡充ができる
- ほかのサロンとの差別化がしやすくなる
補助金・助成金の大きなメリットは、融資とは異なり「返済義務がない」点です。自己資金や借入金だけで設備投資をおこなう場合、その後の返済計画が経営の大きな負担となります。
しかし、補助金や助成金を使えばその心配がなくなり、資金繰りに余裕が生まれて精神的な負担も軽減されます。
また、補助金・助成金を活用することで、最新の業務用美容機器の新規購入や買い替えを低リスクでおこなえます。通常であれば導入をためらうような高額な業務用美容機器にも挑戦しやすくなり、サロンで提供できるメニューの幅を広げることが可能です。
新しいメニューは既存顧客への新たな提案となると同時に、新規顧客を呼び込むきっかけにもなります。結果としてサービス内容が充実し、近隣サロンとの差別化が図りやすくなるでしょう。
業務用美容機器に使える補助金・助成金の申請方法

補助金や助成金を利用するためには、正しい手順に沿って申請をおこなう必要があります。ここでは、補助金と助成金それぞれの一般的な申請フローと、申請するうえでの注意点を詳しく解説します。
補助金・助成金の申請手順
補助金と助成金では、申請から受給までの流れが異なります。それぞれのステップをしっかり理解しておきましょう。
補助金の申請手順
補助金は、事業計画が審査で採択される必要があります。どのような商品やサービスを提供するのか、売上・利益の見込みなどをまとめて念入りに準備しましょう。
- 情報収集:公募要領を確認し、サロンの事業に合う補助金を探す
- 申請書類の準備:経営計画書や補助事業計画書など、指定された書類を作成する
- 申請書の提出:公募期間内に事務局へ申請書類を提出する
- 審査:事務局による審査がおこなわれ、採択・不採択が決定する
- 交付決定通知の受取:審査を通過すると交付決定通知が届く
- 事業の実施:交付決定後に、計画に沿ってサロンの開業や業務用美容機器の購入などをおこなう
- 実績報告:事業完了後、かかった経費の証拠書類を添えて実績報告書を提出する
- 補助金の受領:報告書の内容が審査に通れば、交付額が確定し入金される
助成金の申請手順
助成金は、事業内容・従業員数などの要件がポイントになります。助成金の具体的な申請手順は以下のとおりです。
- 情報収集:サロンの事業に適した助成金を探し、申請条件等を確認する
- 計画書の準備:助成金ごとに定められた計画書を作成する
- 計画書の提出:作成した計画書を管轄の労働局やハローワークに提出する
- 通知受取:計画が認定されると通知が届く
- 計画の実施:計画書に沿って、従業員研修の実施や制度の導入などをおこなう
- 支給申請:取り組みの完了後、定められた期間内に支給申請書と実績を証明する書類を提出する
- 審査・支給決定:内容の審査がおこなわれ、支給が決定されると通知が届く
- 助成金の受領:指定の口座に助成金が振り込まれる
助成金申請時のポイントは、研修などの実施前に認定を受ける必要がある点です。助成金によっては、「〇日前まで」と申請の提出期限が決められているため注意しましょう。
補助金・助成金の申請における注意点
補助金・助成金を申請する際には、知っておくべき重要な注意点があります。
まず、どちらの制度も原則として「後払い」が基本です。業務用美容機器を購入するための資金は、いったん自己資金や融資で立て替える必要があります。申請から受給までには数か月、長い場合は1年以上かかることもあるため、資金計画は余裕をもって立てましょう。
また、受給後も申請通りに資金が使われているかを確認するため、会計検査院による監査が入る可能性があります。そのため、契約書・請求書・支払いの証拠などの関連書類は、定められた期間(通常5年間)は必ず保管しておく義務があります。
万が一、不正受給が発覚した場合は、補助金・助成金の返還はもちろん、加算金などのペナルティや、場合によっては刑事罰を受ける可能性もあるため注意しましょう。
業務用美容機器の補助金・助成金についてよくある質問

最後に、業務用美容機器で使える補助金・助成金についてよくある質問にお答えしていきます。
補助金・助成金は申請すれば必ずもらえる?
補助金は、公募期間内に申請された事業計画のなかから優れたものが審査によって選ばれる「採択式」です。予算や採択件数に限りがあるため、申請しても不採択となるケースは少なくありません。
一方で助成金は、定められた支給要件をすべて満たしていれば、原則として受給することができます。ただし、申請書類に不備があったり、要件を満たしていなかったりした場合は、もちろん支給されません。
個人サロンの開業でも助成金はもらえる?
個人事業主のサロンであっても、従業員を一人でも雇用し、労働保険(労災保険・雇用保険)の適用事業所となっていれば、厚生労働省系の助成金の対象となります。
オーナー様は対象外ですが、キャリアアップ・人材育成・労働環境改善など、雇用するスタッフに関する取り組みに対して助成金を申請することが可能です。
マツエクサロンの開業で助成金は使える?
マツエクサロンの開業でも助成金は使えます。
マツエクサロンは、美容師免許を所持するスタッフが必要で、保健所に美容所として登録する必要があります。しかし、助成金の利用可否に業種は関係ありません。
個人サロンの場合と同様に、従業員を雇用している労働保険適用事業所であれば、キャリアアップ助成金や人材開発支援助成金など、各種雇用関係の助成金を活用できます。
リラクゼーションサロンの開業で助成金は使える?
リラクゼーションサロンでも助成金は活用できます。マッサージや整体・アロマテラピーなど、提供するサービス内容に関わらず、従業員を雇用する事業主であれば、雇用関係の助成金の対象となります。
スタッフの技術向上のための研修費用を支援する「人材開発支援助成金」や、未経験者を採用する際の「トライアル助成金」などは、多くのリラクゼーションサロンで活用されています。
まとめ

本記事では、エステサロンの経営において業務用美容機器の導入などに活用できる補助金・助成金制度について解説してきました。補助金と助成金はどちらも返済不要の制度ですが、目的や申請プロセスは異なります。また、対象となる費用も異なるため、事前にしっかりと制度の詳細を把握しておくことが大切です。
補助金と助成金を戦略的に活用することで、高額な業務用美容機器の導入コストを抑え、サロンのサービス拡充や競争力強化、スタッフが働きやすい環境づくりを整えられます。
「どの制度が自社に合うかわからない」「事業計画書の作成に不安がある」といったお悩みをお持ちのサロンオーナー様もいらっしゃるかもしれません。b-modelsでは最新の業務用美容機器の販売だけではなく、豊富な知識と経験に基づいた経営サポートもおこなっております。エステサロンの状況に合わせた無料セミナーや無料相談も実施しておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。


